Google ChromeにGemini3を搭載マルチタスクや自動化を実現|AIブラウザ時代に変わるSEOの考え方

【監修】株式会社ジオコード SEO事業 責任者
栗原 勇一

Webブラウザはこれまで「情報を閲覧するためのツール」でした。しかし生成AIの進化により、その役割は大きく変わろうとしています。
単にページを開くだけでなく、ユーザーの代わりに調査・比較・操作まで行う存在へと進化しつつあります。

こうした流れの中、Googleは Gemini in Chrome の新機能を発表し、Chromeをよりエージェント型のブラウザ体験へ近づけるアップデートを打ち出しました。
まずは米国で提供され、今後段階的に展開される予定です。

本記事では、このアップデートの内容を整理しながら、SEOやWebサイト運用にどのような影響があるのかを解説します。

Gemini3搭載でChromeはどう変わるのか

今回のアップデートにより、Chromeは単なるブラウザから、ユーザーの作業を支援するAIエージェントへと進化しました。

大きな特徴の一つが、画面右側に表示されるサイドパネルです。

ブラウザ上でタブを切り替えることなく、AIに直接指示を出し、さまざまなタスクを実行できるようになります。
これにより、調査・要約・作業といった一連の流れがブラウザ内で完結するようになります。

さらに、画像加工機能も強化されています。

画像をダウンロードして別ツールで編集する必要がなくなり、テキストで指示を出すだけで加工が可能になります。

こうした機能は、コンテンツ制作や資料作成の効率を大きく高めると考えられます。

自動化と外部サービス連携の進化

今回のアップデートのもう一つの特徴は、タスクの自動化とサービス連携です。

Gemini in Chrome は Gmail、Calendar、YouTube、Maps、Google Shopping、Google Flights などとの Connected Apps 連携に対応し、複数サービスをまたぐ作業支援を強化します。
これにより、検索から比較、予約や購入といった行動が一つの環境内で完結しやすくなります。

さらに、auto browse によって複数ステップのワークフロー支援が強化されます。

これは複数ステップにわたる作業をAIが自動で実行する機能であり、ユーザーの操作負担を大きく軽減します。
例えば、商品検索から比較、購入手続きまでを一連の流れとして処理できるようになります。

また、今後数か月のうちに、文脈に応じた支援を強める Personal Intelligence の導入も案内されています。
これにより、ユーザーの嗜好や行動履歴に基づいた提案が可能になり、よりパーソナライズされた体験が提供されます。

AIブラウザがもたらすユーザー行動の変化

このアップデートによって最も大きく変わるのは、ユーザーの行動プロセスです。

従来は、検索エンジンで情報を探し、複数のサイトを比較しながら意思決定を行っていました。
しかし、AIブラウザの登場により、ユーザーはAIに指示を出すだけで情報収集から意思決定までを進められるようになります。

さらに、AIエージェントによる購買フローの整備も進んでおり、商品検索から購入までを対話ベースで進める流れが現実味を帯びています。
このように、ユーザーがWebサイトを個別に訪問する機会が減少する可能性がある点は見逃せません。

つまり、ユーザー行動は「検索して比較する」から「AIに要約・比較を任せながら選択する」方向へ進んでいく可能性があります。

SEOへの影響と求められる対応

この変化は、SEOにも大きな影響を与えます。

これまでのSEOは、検索結果で上位表示され、クリックを獲得することが重要でした。
しかし、AIブラウザの普及により、ユーザーが検索結果を経由せずに意思決定するケースが増える可能性があります。

その中で重要になるのが、AIに正しく情報を認識させるためのデータ構造です。
AIはWeb上の情報を読み取り、比較・判断を行うため、情報が整理されていないサイトは選択肢から外れる可能性があります。

例えば、商品情報やサービス内容、価格、特徴などを明確に構造化し、機械的にも理解しやすい形で提供することが重要になります。
これにより、AIの提案や選択肢の中に自社の情報が含まれる可能性が高まります。

AIエージェント時代のSEO戦略とは

今回のアップデートから見えてくるのは、SEOの役割が大きく変化しているという点です。

これからは、単に検索順位を競うだけでなく、AIが参照・選択する情報として最適化することが求められます。
いわば「人に選ばれるSEO」から「AIに選ばれるSEO」へのシフトです。

そのためには、正確で信頼性の高い情報を提供することに加え、構造化データや明確な情報設計が不可欠になります。
また、ユーザーの意思決定プロセスを意識したコンテンツ設計も重要になるでしょう。

Chromeの進化は、検索体験だけでなくWeb全体の構造にも影響を与える可能性があります。
今後のSEOでは、AIエージェントを前提とした情報設計が、競争力を左右する重要な要素となっていくでしょう。