SEO担当者に静かな衝撃──Googleが「&num=100」を廃止、順位計測とデータ分析に何が起きているのか

【監修】株式会社ジオコード SEO事業 責任者
栗原 勇一

Google検索における小さな仕様変更が、SEO業界全体に想像以上の影響を及ぼしています。
検索結果を1ページに100件表示できる「&num=100」パラメーターの廃止により、検索順位取得ツールやSearch Consoleのデータ解釈にズレが生じていることが明らかになりました。順位計測や分析を前提に施策を組み立ててきた担当者ほど、今後の対応が重要になります。

「&num=100」廃止とは何が変わったのか

Googleはこれまで、URLの末尾に「&num=100」を付与することで、検索結果を1ページあたり最大100件まで表示できました。
この仕様は、SEO順位チェックツールや順位確認を行う担当者にとって、11位以下〜100位までを一度に取得できる前提条件として広く利用されてきました。

しかし今回、このパラメーターが廃止されたことで、Google検索結果は通常どおりの表示件数に制限され、従来の方法では広範囲の順位データを一括取得できなくなっています。

Ahrefs Japanが指摘する「深刻な影響」

この影響について、SEO分析ツールを提供するAhrefs Japanは、2025年9月19日にX(旧Twitter)で状況を公表しました。
同社は「11位以降のランキングデータに一時的な不具合が発生している」「データの安定化までに時間がかかる」と説明し、24時間体制で改善に取り組んでいるとしています。

つまり、ツール側の不具合というより、Google側の仕様変更が直接的な原因であり、従来と同じ精度・速度で順位データを取得すること自体が難しくなっている状況です。

Semrushは「トップ10・20は影響なし」と説明

一方、同じく大手SEOツールであるSemrushは、公式サイトにて「トップ10およびトップ20の結果には影響はなく、レポートのパフォーマンスは安定している」と明言しています。

ただし、100位付近の検索結果については特に言及されていません
このことから、上位分析を主用途とする場合は大きな問題が出にくい一方、ロングテールや圏外からの成長を追っているサイトでは、ツールごとのデータ差がより顕著になる可能性があります。

「データ取得コストが10倍になる」という懸念

複数の検索順位ツール事業者は、今回の仕様変更により「データ収集コストが最大で10倍になる」という見解を示しています。
これは、1回のリクエストで100件取得できていたものが、分割取得を余儀なくされるためです。

その結果として考えられるのが、

  • 一部機能の制限
  • 順位取得頻度の低下
  • ツール利用料金の改定

といった影響です。
今までと同じコスト感で使い続けられない可能性がある点は、SEO担当者として把握しておく必要があります。

Search Consoleのインプレッション減少との関係

今回の変更は、Google Search Consoleのデータにも影響を与えている可能性があります。
通常、検索結果の8〜9ページ以降に表示されるWebページは、ユーザーの目にほとんど触れません。

しかし「&num=100」を利用すると、検索結果に表示されるため、インプレッションとしてカウントされるケースがありました。
そのため、9月中旬以降にSearch Consoleの検索パフォーマンスレポートでインプレッション数が大幅に減少している場合、今回のパラメーター廃止が要因の一つとして考えられます。

今後SEO担当者に求められる視点

今回の件は、「順位データは取得できて当たり前」という前提が崩れつつあることを示しています。
Googleの仕様変更や、それに伴うツール側の再設計・価格変更は今後も起こり得るでしょう。

特定のツールや数値だけに依存せず、

  • 複数ツールの併用
  • Search Consoleや実トラフィックとの突き合わせ
  • 順位だけでなく成果指標(CV・流入)重視の分析

といった、より多角的なSEO分析がこれまで以上に重要になっていくと考えられます。

まとめ

Googleによる「&num=100」パラメーター廃止は、一見すると小さな仕様変更に見えますが、検索順位ツールの挙動、分析コスト、Search Consoleの数値解釈にまで影響を及ぼしています。順位取得の前提が変わった今、SEO担当者にはツールの仕様やデータの意味を再確認しながら、柔軟に分析方法を見直す姿勢が求められます。今後も起こり得る仕様変更を想定し、単一の指標に依存しないSEO運用体制を整えていくことが、長期的なリスクヘッジにつながるでしょう。