AI Overviewsは減った?広がった?──Semrush調査が示すGoogle検索の“次の段階”

【監修】株式会社ジオコード SEO事業 責任者
栗原 勇一

Google検索に表示されるAI Overviews(AIによる要約表示)は、登場から時間が経ち、その役割や表示傾向が大きく変化しています。

Semrushが公表した最新の調査結果からは、「AI Overviewsは減少している」のではなく、より実践的な検索フェーズへ広がっている実態が明らかになりました。

Semrushの調査概要

今回の調査は、2025年1月から11月にかけて実施され、1,000万以上のキーワードを対象に、AI Overviewsの表示率や対象クエリの変化が分析されています。

検索結果の大規模な変化を定量的に捉えた、非常に信頼性の高いデータと言えるでしょう。

AI Overviewsの表示率は「急増→調整」フェーズへ

調査によると、AI Overviewsの表示率は以下のように推移しています。

  • 2025年1月:6.49%
  • 2025年7月:約25%
  • 2025年11月:15.69%

一時的に急増した後、現在は16%前後で安定している状況です。

これは、GoogleがAI Overviewsを闇雲に拡大するのではなく、検索体験を見ながら調整していることを示唆しています。

対象クエリは情報収集から意思決定フェーズへ

当初、AI Overviewsは、

  • 「〇〇とは」
  • 「やり方」
  • 「比較」

といった情報収集系クエリで多く表示されていました。

しかし2025年10月以降は、

  • コマーシャルクエリ(商用型)
  • トランザクションクエリ(取引型)
  • ナビゲーションクエリ(案内型)

といった、比較・検討・行動フェーズの検索でも表示されるケースが増加しています。

これは、AI Overviewsが検索の初期段階だけでなく、ユーザーの意思決定プロセス全体に関与し始めていることを意味します。

AI Overviewsは本当にゼロクリックを増やすのか

AI Overviewsの登場でよく語られるのが、ゼロクリック問題です。

確かに調査結果では、AI Overviewsが表示されやすいクエリほど、ゼロクリック率が高くなる傾向は確認されています。

しかしSemrushの分析では、

  • クエリの種類
  • ユーザーの検索意図
  • AI回答の表示形式

によっては、クリック率(CTR)が上昇したケースも存在していました。

つまり、AI Overviews=必ず流入減、とは言い切れない状況です。

業界別に見るAI Overviewsの影響

業界別の分析では、次のような傾向が見られました。

表示頻度が高い業界

  • 科学
  • コンピューター&エレクトロニクス
  • 社会分野

成長率が高い業界

  • 食品(表示率自体は低いが、1年で急成長)

伸びが鈍化している業界

  • 不動産
  • ショッピング

業界ごとにAI Overviewsの影響度が異なる点も、今後のSEO戦略を考える上で重要なポイントです。

Web運用者が注目すべき視点

今回の調査から分かるのは、AI Overviewsは「表示されるか・されないか」ではなく、どう引用され、どう補完されるかが重要になっているという点です。

  • 独自性のある情報
  • 比較・判断に役立つ視点
  • 構造化された分かりやすいコンテンツ

こうした要素を備えたWebサイトほど、AI Overviews時代でも価値を発揮しやすくなります。

まとめ

Semrushの調査結果は、AI Overviewsが“実験段階”を終え、検索体験に組み込まれる存在へ進化していることを示しています。

表示率の増減だけに一喜一憂するのではなく、AIに選ばれ、引用され、クリックされるコンテンツとは何かを考えることが、これからのSEO・Web運用において欠かせない視点となるでしょう。