大規模サイトのSEO対策を成功させるコツとは?起こり得る問題や注意点・求められるスキルを解説 大規模サイトのSEO対策を成功させるコツとは?起こり得る問題や注意点・求められるスキルを解説

大規模サイトはコンテンツ数やアクセス数が多いため、中小規模のサイトにはないSEO上の問題が出るケースがあります。現在、大規模サイトを運営している企業や、これから大規模サイトに育てていこうとしている企業の担当者は大規模サイトならではの傾向と対策を知っておきたいところです。

この記事では、大規模サイトの定義や特徴、サイト種類別のSEO上の問題、大規模サイトに共通する注意点とその対策、SEO担当者に求められるスキルセットなどについて解説します。サイト運営の参考にしてください。

大規模サイトとは

大規模サイト

始めに、大規模サイトの定義や概要を紹介します。大規模サイトの特徴をつかんでおくとSEOにも役立つでしょう。

大規模サイトの定義

Google検索セントラルの「大規模なサイト所有者向けのクロール バジェット管理ガイド」によると、大規模サイトは以下のように定義されています。(※)

  • 重複のないページが100万以上で、コンテンツが中程度に(1週間に1回)更新される
  • 重複のないページが1万以上で、コンテンツがかなり頻繁に(毎日)に更新される
  • Search Console で URL の大部分が検出- インデックス未登録に分類されるサイト

上記の条件を満たすとなると、不特定多数のユーザーから需要があるサイトでなければなりません。このため一般的に大規模サイトは、大手ショッピングモールや商品比較サイト、求人サイト、旅行サイトのようなポータルサイトが多いのが特徴です。

大規模サイトのアクセス数は少なくとも100万PV以上に上るでしょう。このレベルになるとサイト運営元の認知度、ブランド力が強いため、特にSEO対策をしていないコンテンツでも、検索結果の上位に掲載されるケースがあります。

※参考:Google検索セントラル. 「大規模なサイト所有者向けのクロール バジェット管理ガイド」. 

大規模サイトと中小規模サイトの違い

大規模サイトとは何かについて、さらに具体的に説明します。大規模サイトを理解するには、中小規模サイトとの違いを比較するのがわかりやすいでしょう。違いをまとめたのが以下の表です。

大規模サイト中小規模サイト
コンテンツ数多い少ない
アクセス数多い少ない
拡張性しやすいしにくい
更新頻度多い少ない
制作費用高い安い
ターゲット広い狭い

大規模サイトのメリットはコンテンツを大量に集めておくことで流入を増やす効果があることです。ユーザーは情報収集の際や商品購入を検討する際、はじめに大規模サイトを訪れる傾向があります。この結果、検索エンジンにも上位掲載されやすくなります。一方、コンテンツ制作やサイト運営のコストは大きくなるのがデメリットです。

中小規模サイトのメリットは、ターゲットを絞り込んで情報発信できる点です。この結果、サイト訪問者のコンバージョン(商品購入や問い合わせなど)率が高くなる傾向があります。一方、大規模サイトに比べるとアクセス数が少なく、SEOでも優位に立てません。このため、専門領域を掘り下げたり、ニッチな情報にフォーカスをあてたりするなどの工夫によって、対象キーワードでの上位掲載を狙います。

【サイト種類別】大規模サイトで起こり得るSEOの問題点

ここでは、大規模サイトの種類別に、課題になりやすいSEOの項目をご紹介していきます。取り上げる種類は次のとおりです。

  • ECサイト
  • 口コミサイト
  • 比較サイト
  • 求人サイト
  • 不動産情報サイト
  • 旅行・ホテル検索サイト

ECサイト

大規模サイトに分類されるECサイトは、SKU数が1万点以上あることが業界を問わず一つの目安になります。SKU(Stock keeping Unit)とは、在庫管理上の最小単位のことです。
例えば、100種類のTシャツを扱い、それぞれのカラーが5色、サイズがL・M・Sの3種類あるとすれば、100種類×5カラー×3サイズ=1,500SKUとなります。

SKU数が1万点ともなれば通常、複数のカテゴリやブランドを扱う場合が多いでしょう。この結果、SEO施策も複雑になる傾向があります。

このため、ユーザーがサイト内で迷わないように、サイト構造を階層化してユーザビリティを高めなければなりません。また、商品入れ替えが頻繁にあるため、重複コンテンツが生じないようにサイト管理担当者が日々管理していかなければならない課題があります。

口コミサイト

大規模な口コミサイトは、飲食業、美容院・サロン、映画など、いろいろな業種で運営されています。口コミサイトのメインコンテンツはUGC(User Generated Content:一般ユーザーによって作られたコンテンツ)です。大規模サイトの口コミサイトでは、ユーザー同士が意見を交換するような形で口コミが集まっていくケースもみられます。

このUGCはクオリティを担保しにくいのが特徴です。例えば、虚偽の情報が混じった商品レビューがあったとしてもサイト運営者が発見するのは難しいでしょう。また、悪質な業者が掲示板にリンクスパムを書き込み、自サイトに誘導しようとする場合もあります。

口コミのクオリティが下がってしまえば検索エンジンからの評価が下がり、SEOにも悪い影響が出てしまう可能性があります。したがって、大規模な口コミサイトでは、書き込みマナーを守ってもらうことやステマ対策が課題の一つです。また、リンクスパムを自社サイトに関連付けないようにクローラー(検索エンジンにインデックスするためのWebページ収集プログラム)に伝えるなど、適切なサイト設定も欠かせません。

比較サイト

比較サイトとは、特定のジャンルの商品やサービスをひとつにまとめて、価格やスペック、特徴などを比較検討できるサイトです。例えば引っ越し業者・プロバイダ・葬儀社・結婚式場など、いろいろなジャンルがあります。

比較サイトは世の中に存在している商品やサービスを比較紹介する形となります。したがって、人手をかければ短期間でサイトを成長させて集客につなげやすい点がメリットです。また、特定のニーズが顕在化しているユーザーがメインターゲットとなるため、コンバージョンを得やすいでしょう。

比較サイトのSEOで課題になりやすいのは、口コミサイトと同様にUGCの要素です。比較サイトでは、商品購入者のレビューや体験談などを集めて掲載するのが一般的ですが、これらの内容を管理しにくい問題があります。例えば、比較記事に「コスパが良い」と書いてあるのにユーザーのレビュー欄に「コスパが悪い」とあるなどによって、コンテンツに一貫性がなくなってしまう可能性があります。

求人サイト

求人サイトとして転職サイトやアルバイト情報サイトなどが該当します。求人サイトのなかには、特定の業界・職種の求人に特化したタイプと、幅広い業界・職種の求人を扱う統合型タイプがあります。大規模サイトの場合、統合型タイプであるのが一般的です。

求人サイトで課題になりやすいのは、インデックス(検索エンジンのデータベースに登録されること)に関する内容です。求人情報は日々情報が更新されるため、最新情報がインデックスされないケースが多いからです。反対に募集が終了した求人が検索エンジンに掲載されてしまう可能性もあります。

不動産情報サイト

不動産情報サイトとは、賃貸物件や新築・中古マンション・一戸建て・土地などの不動産情報をまとめたサイトです。所在地や価格、面積など、いろいろな要素で検索したり、情報を並び替えたりできるのが特徴です。大規模サイトの場合、全国規模の情報を扱うケースが多いでしょう。

不動産情報サイトのSEOで課題になりやすいのは、求人サイトと同じくインデックスにおける問題です。不動産情報サイトの情報は日々更新されるため、インデックスが遅れる場合があります。また、会員限定の物件情報はインデックスさせないなど、細かな管理も必要です。

旅行・ホテル検索サイト

旅行・ホテル検索サイトとは、飛行機・新幹線の切符や、ホテル・旅館の検索、予約ができるサイトです。サイトによっては、交通券と宿泊がセットで予約できるサイトもあります。いずれのサイトも予約システムと連携されており、サイト流入でコンバージョンまで完結するのが特徴です。

旅行・ホテル検索サイトで課題となるのは、UX(ユーザー体験)とSEOの両立に悩むケースがある点です。例えば、コンバージョンを増やそうと写真を多数掲載したところ、ページ表示速度が下がってしまい、検索エンジンからの評価が悪くなるようなケースがあります。逆にSEOを過度に重視するとタイトルや説明文が不自然になり、ユーザーの興味・関心を引けないケースがあります。

大規模サイトで起こりやすいSEOにおける注意点

大規模サイトのSEOにおける注意点

ここでは大規模サイトで共通して注意するべき、以下のSEOのポイントをご紹介します。

  • サイト・ページの表示速度
  • サイトの構造
  • コンテンツの内容
  • 重複コンテンツの有無
  • URLの正規化
  • リンク切れ
  • 悪質サイトからの被リンク
  • クローラビリティの最適化

サイト・ページの表示速度

大規模サイトはアクセスが集中してサーバーへの負荷が高くなり、ページの表示速度が遅くなる場合があります。最悪の場合、サイトがダウンしてしまい、ユーザーからの信頼を失ってしまうかもしれません。

ページの表示速度はSEO上でも重要です。Googleの経営理念を示した「Googleが掲げる10の事実」では、「遅いよりも速いほうがいい」という項目があり、必要な情報をウェブ検索で瞬時に提供したいと述べています。(※)また、GoogleがUXの評価指標としている「コアウェブバイタル」では、ページの表示速度(LCP)が設けられています。

表示速度を向上するには、高性能なサーバーやネットワークに更新する方法が効果的です。しかし、通信負荷がかかる画像や動画、JavaScriptの多用をやめたり、不要なコンテンツを整理したりするなどのサイトのスリム化によっても、スピードアップを図れます。

※参考:Google. 「Googleが掲げる10の真実」. 

サイトの構造

商品・サービス数とページ数が多い大規模サイトでは、コンテンツが整理されず、サイト構造が複雑になりがちです。SEOを意識したカテゴリ分けを行い、見やすさや分かかりやすさを意識しましょう。

例えば、家電のECサイトであるなら、トップページ>家電>エアコンのように、カテゴリを階層的に絞り込める構造にします。これはユーザビリティを高めるとともに、クローラビリティを高める対策になります。

また、ロングテールキーワード(3語~4語で構成された複合キーワード)も意識したサイト構造も意識するとよいでしょう。例えば、検索ユーザーは「<サイト名> エアコン 6畳」のように検索エンジンで検索する場合があります。このような検索ニーズにマッチするサイト構造にしておけば、検索結果の上位に掲載されやすくなるでしょう。

ロングテールキーワードは検索ボリュームが少ないものの、具体的なニーズを持った検索ユーザーにリーチしやすいのがメリットです。また、SEO上での競合が少ないのも特徴です。

コンテンツの内容

大規模サイトを運用する際には、質より量やスピードを優先してしまう場合があります。しかし、大規模サイトでもコンテンツの質は重要です。

高品質なコンテンツとは、端的にいえば「ユーザーに有益な情報」です。特に近年重視されているのは、以下の「EEAT」の要素です。

  • Experience(経験):商品利用者や現地訪問者などの経験に基づく情報があるか
  • Expertise(専門性):専門的な知識やスキルがあるか
  • Authoritativeness(権威性):サイト運営者または執筆者の社会的評価があるか
  • Trustworthy(信頼性):コンテンツの内容や運営者が信頼できるか

低品質のコンテンツは上記の反対で、虚偽の情報が混じっている記事や独自性がない記事などです。大規模サイトでは、制作するコンテンツ数が大きく更新頻度も早いために、品質管理が疎かになるケースが少なくありません。低品質なコンテンツが増えないように注意していきましょう。

重複コンテンツの有無

大規模サイトでは、意図せず重複したコンテンツを作ってしまったり、同じタイトルタグやディスクリプションタグのページを作ったりしてしまう可能性が高くなります。

例えば、ECサイトなら商品がマイナーチェンジした際に以前とほとんど変わらない商品紹介ページを作ってしまうケースがあるでしょう。また、同じブランドの商品が、すべて同じディスクリプションになってしまうケースも少なくありません。さらに悪い場合は、他サイトから無断で内容を引用してコピーコンテンツを掲載しているサイトも存在します。

こうしたユーザーの利便性を下げる重複コンテンツは、Webサイトの評価を下げ、SEOに悪影響を与えるため要注意です。

URLの正規化

大規模サイトでは、URLの正規化が不十分になりがちです。URLの正規化とは、サイト内に重複したページがあった場合に、最も代表的で重要なページに統一することです。

大規模サイトでは商品数やコンテンツ数が多いため、通常、サイト内でも検索できるようにします。この際、例えば「価格が高い順」に並び替えた際に「?sort=high」のようなパラメーターが追加されると、本来一つのページに対して複数のURLが存在する状態になってしまいます。

URLの正規化が適切にできておらず、検索エンジンが正規URLを判別できないと、他のURLも同等の重要性を持つとされます。この結果、ページの評価が分散されてしまい、検索結果上位に掲載されない可能性が高まります。さらに、コピーコンテンツやミラーコンテンツとして認識されてペナルティを受けるリスクもあるため注意が必要です。

リンク切れ

リンク切れとは、リンク先のURLが削除されたり、URLを間違って記述したりすることによって、リンク先ページを開けない状態です。リンク切れになると、多くの場合、404エラー「404 Not Found」が表示されます。

大規模サイトに限った話ではありませんが、リンク切れには注意しておきましょう。アクセス数が多い大規模サイトでは、リンク切れによって1日の売り上げが大きく変化してしまいかねません。

そこで活用したいのは、リンク切れを検知できる各種のツールです。Ahrefsの「Broken Link Checker」や WordPressプラグインの「Broken Link Checker」、Chrome拡張機能「Check My Links」などの代表的なツールを用いるとよいでしょう。また、Googleサーチコンソールで、404エラーを検出する方法もあります。

悪質サイトからの被リンク

悪質サイトからの被リンク(外部サイトに張られた自社サイトへのリンク)を受けると、SEOに悪影響を及ぼすリスクがあります。例えば、公序良俗に反した海外ドメインのサイトや、クオリティの低いまとめサイトなどからの被リンクがあると、自社ページの評価が下がる可能性があります。

また、Googleの場合、過剰な相互リンク(リンクする代わりにリンクしてもらう行為)、SEOのために対価を支払って獲得した被リンクもペナルティの対象です。また、フォーラムやコメント欄に投稿された作為的なリンクなどもペナルティを受ける恐れがあるので注意しておきましょう。

クローラビリティの最適化

大規模サイトになるほど各ページが相互に関係し合っており、いろいろな閲覧ルートが増えていきます。このため、クローラビリティを最適化するために、内部リンクを適切に設ける必要があります。

クローラビリティとは、自社のWebページが検索エンジンに発見されやすい状態です。また、内部リンクとは、自社サイト内の他のページへのリンクです。内部リンクを適切に配置することで、クローラーはユーザーと同じようにサイト内を効率的に回遊でき、クローラビリティが高まります。また、リンク元ページとリンク先ページの関係を正しく把握しやすくなります。

反対に、内部リンクを適切に配置していないとクローラーはサイト内を回遊しにくくなり、インデックス(検索エンジンのデータベースに登録されること)が遅れるため注意が必要です。また、ページ内容を正しく理解できないため、関連性が高い検索語句に掲載されにくくなる可能性もあります。

大規模サイトに求められるSEOのスキルとは

大規模サイトに必要なSEOスキル

ここでは、SEOの担当者に求められる以下のスキルについて解説します。

  • 課題分析力
  • フロントエンド系技術やライティングスキル
  • 正しい効果測定
  • 継続的な学習意欲

課題分析力

自社のサイトにおける問題点や、検索ニーズ、競合他社のサイト運営状況などを把握し、解決するための分析力が必要です。この課題分析力は特にサイト運営の戦略を立案する担当者に求められます。

しかし、課題分析力は短期間ではなかなか身に付きません。また、知識だけでなく、場数を踏んで鍛えられていくものでもあります。このため研修やセミナーで学んだ後は、実際にGoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどの各種ツールを使って、スキルを養う必要があります。

フロントエンド系技術やライティングスキル

施策実施のプロセスで求められるスキルは、HTMLやCSS、JavaScript、TypeScriptなど、主にフロントエンド(直接ユーザーの目に触れる部分)を構築する技術です。内部リンクの追加やタグの変更などのように基礎技術でカバーできる場合もありますが、表示速度の改善やURLの正規化のように応用技術を求められる場合もあります。また、自社で導入しているアクセス解析ツールや、連携している予約システム、業務システムの知識も必要です。

コンテンツ制作を自社で行う場合は、コンテンツの企画力やライティング力も必要です。例えば、Googleキーワードプランナーやラッコキーワードなどのツールを用いて、検索ニーズや検索ボリュームを調べて構成を決めるスキルが必要です。また、対策キーワードやサジェストワード(対策キーワードと一緒に検索されやすいキーワード)を含めて記事を書くなど、SEO特有のライティングスキルも求められます。

正しい効果測定

施策実行後は、成果が出ているか、新たな問題が生じていないか効果検証を行います。このプロセスではGoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどを用いた、アクセス解析がメインです。具体的には検索順位やクリック数、コンバージョン率などの定量的なデータを中心に分析していきます。

データは単なる数値にすぎないため、分析能力も必要です。例えば、サイトの回遊率が下がった場合にコンテンツの質が下がったからなのか、それとも内部リンクが少ないからか、などを具体的に分析するスキルも必要です。

継続的な学習意欲

SEOで成果を上げていくには継続的な学習が欠かせません。Googleの場合、年に数回、検索アルゴリズムやシステムに変更を加える「コアアップデート」を行っています。したがって、サイト運営者としてはコアアップデート後の評価の仕組みや改善方法を理解しておく必要があります。

初心者~中級者がSEOを学習する際は、ロングセラーになっている書籍を読むとよいでしょう。コアアップデートでも大きく変わらないSEOの基礎知識と軸になる考え方を学べます。

上級者がSEOを学習する際は、最新情報をキャッチアップしているWebサイトをあたるのが効果的です。しかし、インターネット上の情報には間違いも多いため、個人サイトやブログは避け、SEOに知見を持つ企業が運営しているサイトに限ったほうがよいでしょう。

いずれにしても、学習で疑問を持った際は、Googleの公式ページなど一次ソースを確認するのが基本です。

大規模サイトでSEO対策を成功させるコツ

ここでは大規模サイトでのSEOを成功させるポイントとして、以下の内容を紹介します。

  • スマートフォンでも見やすいサイト設計にする
  • カテゴライズを適切に行う
  • 重複コンテンツ対策を行う
  • サイト構造や内部リンクの導線を適切にする
  • 正規URLの設定ルールを決める
  • SEO対策だけでなくコンテンツの質を意識する
  • SEO対策コンサルティングに相談する

スマートフォンでも見やすいサイト設計にする

スマートフォンユーザーの急増にともない、スマートフォンでも見やすいサイト設計にする重要性が高まっています。Googleでは従来パソコン版サイトをインデックスしていましたが、現在はモバイル版サイトを優先的に表示する「モバイルファーストインデックス」に移行しました。(※)

また、パソコン版とスマートフォン版のサイトが大きく違う場合、Googleの手動ペナルティのレビュアーによって細かな検証が入る可能性があります。利用デバイスによってユーザー体験が変わる場合は、サイトの評価が下がるケースがあるため、注意しておきましょう。

マルチデバイス対策として有効なのは、Webサイトをレスポンシブルデザインに更新する方法です。レスポンシブルデザインとは、ユーザーからアクセスがあった際に利用デバイスを識別して、デバイスに応じたレイアウトに自動調整するデザインです。レスポンシブルデザインであれば、スマートフォンの小さな画面では見やすいように自動的にレイアウトが調整されます。また、ユーザーがわざわざモバイル版のサイトを探す必要もなくなります。

※参考:Google検索セントラル. 「モバイルファーストインデックスの展開」. 

カテゴライズを適切に行う

大規模サイトの場合、特にカテゴリページ(ジャンルやタグごとに関連ページを一覧表示するページ)や商品検索結果ページがSEO上で重要な対策ページとなります。検索エンジンに入力するキーワード(=検索ニーズ)とカテゴリ分けが合致していれば、検索上位に表示されやすくなるでしょう。

例えば、ファッション系のECサイトなら「メンズ>アウター>ダウンジャケット」のようにカテゴライズします。すると、検索エンジンで「メンズ アウター ダウンジャケット」「メンズ ダウンジャケット」などと検索した際に、カテゴリページや商品検索結果ページが表示されやすくなるでしょう。

さらに、カテゴリページや商品検索結果ページで紹介されているコンテンツの質が高いと評価されれば、上位概念の検索ワードでも上位掲載される可能性が高まります。例えば、格安SIM業者の比較サイトを運用している場合、「格安SIMとは」などの検索ワードで、自社のカテゴリページが表示される場合があります。

重複コンテンツ対策を行う

内容が薄く、ユーザーが求めている情報が少ないページは削除または他ページとの統合を検討しましょう。例えば、ECサイトでは商品型番が更新されてシステムに登録するたびにページが増えていく場合があります。すでに販売終了している商品があれば削除したほうがよいでしょう。

重複コンテンツのうち、重要でないと判断されたページは検索結果に表示されにくくなります。また、重複コンテンツのうちどちらが重要なページか判別できない場合は、SEO上の評価が複数ページに分散されるため、両方の検索順位が下がってしまいます。

サイト構造や内部リンクの導線を適切にする

サイト内の構造は前述のカテゴライズと同じくらい重要です。ここでのサイト構造とは内部リンクを指します。大規模サイトはページ数が多いため、同一カテゴリ内の横リンク、上下階層間の縦リンク、トップページやサイトマップページに戻るリンクが重要です。

例えば、不動産情報サイトで東京、新宿区のページを開いた際には、渋谷区や千代田区などのページに内部リンクで簡単に移動できたほうが便利です。また、クローラーも内部リンクを辿って他のページを巡回しやすくなります。

大規模サイトではページ数が膨大になるため、どのようなルールで内部リンクを張り巡らせるかをしっかり設計することが必要です。一例を以下に示します。

  • 頻繁に移動する可能性がる場合は、共通ナビゲーションを設置する
  • ユーザーが現在位置を把握しやすいようにパンくずリストを設置する
  • リンク先の内容がわかるようにアンカーテキストを使用する
  • リンク元ページの評価を下げないために、高品質なページに限り内部リンクに設定する

正規URLの設定ルールを決める

カテゴリページのSEOで重要になるのが、重複ページを整理する「URLの正規化」です。大規模サイトのカテゴリページでは、一覧表示を作成するプロセスで、複数のURLができてしまいがちですので特に注意しておきましょう。

例えば、「ブランド」「色」のように並び替えた際に、各パラメーターが付いて、複数のURLが出力されるケースがあります。このような場合は、正規URL(評価を集中させたい重要なページ)を決めるルールを設けて、正規化を進めましょう。

Googleでは、以下の理由がある際に正規URLを選択すべきとしています。(※)

  • 検索結果でユーザーに表示したいURLを指定するため
  • 類似ページや重複ページについてリンクのシグナルを統合するため
  • 単一の商品またはトピックのトラッキング指標を単純化するため
  • シンジケーション コンテンツを管理するため
  • 重複ページのクロールに要する時間を削減するため

詳しくは下記Googleガイドラインをご確認ください。

※参考:Google検索セントラル. 「重複しているページの URL の正規化と正規タグの利用」.

SEO対策だけでなくコンテンツの質を意識する

SEO対策だけにこだわりすぎると、かえってサイト、ページの評価が下がる場合があります。例えば、検索結果ランキングを操作することを目的にした過剰な相互リンクや、自動化されたプログラムで作成した自サイトへのリンクなどはペナルティの対象です。また、対策キーワードを羅列した記事やタイトルと内容が合致していない記事などの低品質のページは、スパムサイトとみなされる可能性があります。

SEOで特に重要なのはユーザーファーストという視点です。そのため、自社が伝えたい情報を一方的に発信するのではなく、検索ニーズから逆算してコンテンツを企画するとよいでしょう。また、コンテンツに専門家の監修を入れたり、図表を入れて分かりやすい内容にしたりするなど、ユーザーの信頼を獲得する取り組みも重要です。

SEO対策コンサルティングに相談する

SEO対策コンサルティングとは、検索エンジンの自然検索(広告以外の検索結果)による顧客流入や、その先にある収益や会員登録社数の増加などを実現するコンサルティングのことです。SEO対策コンサルティングを請け負っている業者は、SEO会社、Webマーケティング会社などと呼ばれます。

SEO対策コンサルティングを受けるメリットは、高度で最新のSEOを提案、実行してもらえる点です。大規模サイトでは競争がし烈で、SEOのレベルも高い傾向にあるため、SEO会社に支援してもらうケースが一般的です。

ただし、一口にSEO会社といっても、費用や支援プラン、得意分野などは業者によって同じではありません。自社の課題を明確にしてから、自社に合ったSEO会社を探すことをおすすめします。

大規模サイトのSEO対策はコンテンツの質が重要

大規模サイトはページ数が多いため、サイト構造が複雑になったり重複コンテンツが増えたりするなどで、SEO上の問題が起こりがちです。表面的なSEOにこだわりすぎると成果が上がらないため、SEOの本質であるユーザーに有益なコンテンツ作りを軸にサイト運営をしていきましょう。

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