記事削除はSEOにどう影響する?1,000ページ削除の事例と判断基準

【監修】株式会社ジオコード SEO事業 責任者
栗原 勇一

「コンテンツを減らしたのに、検索流入が増えた」そんな一見矛盾する事例が、SEO業界で大きな注目を集めています。

SEO専門家のStefan Mustieles氏は、Webサイトのコンテンツの50%超にあたる1,000ページ以上を削除した後、自然検索流入とコンバージョン率が増えたとLinkedInで報告しています。担当者本人による報告であり、削除だけが増加の原因だったと証明するものではありません。

この事例は、これからのSEOの考え方を見直す重要なヒントを含んでいます。

話題となったSEO事例の概要

この事例を公開したのは、SEOコンサルタントのStefan Mustieles(ステファン・ムスティレス)氏です。

同氏は、自身が関わったWebサイトにおいて、徹底的なコンテンツ評価を実施し、以下のようなページを削除したとしています。

  • 情報が古く、更新されていないページ
  • Webサイト全体のテーマとズレているページ
  • ユーザーにとって価値が低いと判断されたページ

結果として、総ページ数は大幅に減少したものの、検索流入は明確に増加したと報告されています。

記事削除と流入増の関係をどう見るか

この報告だけでは、記事削除が流入増の唯一の原因だったとは判断できません。

投稿者は、古く価値の低い内容を整理した後の変化として紹介しています。自社で検証するときは、削除日だけでなく、残した記事の更新、検索需要、季節性、検索システムの変化なども確認します。削除した量を目標にせず、読者に必要な情報を残す判断が重要です。

Googleが一貫して述べてきた「量より質」

Googleは以前から、

  • ページ数を増やすこと自体が評価につながるわけではない
  • ユーザーにとって有用で高品質なページを提供することが重要

と繰り返し発信しています。

今回の報告は、ページ数の増減だけでなく、読者にとっての価値を見直すきっかけになります。ただし、特定のWebサイトの変化を、どのWebサイトでも削除が有効だという根拠にはできません。

特に近年は、検索アルゴリズムがサイト全体の品質をより重視する傾向にあり、一部の低品質コンテンツが、全体評価を下げてしまうリスクが高まっています。

記事削除がSEOに必要かを判断する

アクセスが少ないだけで、記事を削除する必要はありません。問い合わせ前の確認や既存顧客の案内など、検索以外の役割を持つページもあるためです。検索流入、被リンク、利用目的を確認し、情報を残す価値があるかを判断しましょう。

記事ごとに、検索からの表示・クリック、外部リンク、問い合わせへの関わり、情報の正確さを確認します。季節性のある内容は短い期間だけで判断せず、必要な読者が今もいるかを考えましょう。内容に価値があれば更新、同じ疑問に答える記事が重なっていれば統合が候補です。検索結果に出す必要はなくても閲覧用に残したい場合はnoindexを検討できます。ただし、noindexは閲覧を制限する設定ではなく、機密情報の非公開には使えません。

  • 更新して残す:情報の誤りや古さを直せば役立つ記事は、更新を優先します。アクセス数が少なくても、重要な問い合わせへの回答や季節商品などの役割があれば残す理由になります。担当者の印象だけで不要と決めないようにしましょう。
  • 統合または削除する:同じ疑問に答える複数の記事は、必要な情報を集めたページへの統合を検討します。不要になり対応する移転先もない記事は削除が候補です。被リンクがあるという理由だけで、無関係なページへ転送するのは避けます。

削除数ではなく、必要な情報が読者に届くかを判断の軸にしましょう。更新や統合で活かせる内容も確認します。

生成AI時代だからこそ起きやすい問題

近年は生成AIの普及により、コンテンツを短時間で大量に作れる環境が整っています。
その一方で、

  • 検索意図に合っていない記事
  • 内容が似通ったページ
  • 表面的な情報だけをまとめたコンテンツ

が量産されてしまうリスクも高まっています。

こうしたコンテンツが増えれば増えるほど、今回の事例のように「削除した方が評価が上がる」状態に陥りやすくなります。

今後のSEOで重要になるコンテンツ整理の視点

記事を削除した後は、古いURLにアクセスしたときの動作まで確認します。画面から記事が消えただけでは、検索エンジンに意図が伝わったとは限りません。削除前の記録を残し、URLの処理と残したページへの影響を確認しましょう。

対応する移転先がない削除URLは、404または410を返します。同等の内容へ移転・統合した場合は、そのページへ恒久的に転送します。古いURLへの内部リンクやサイトマップも見直し、存在しないページへ読者を誘導しないようにしてください。公開後はSearch Consoleで登録状況と検索流入を確認します。流入が減った場合は、削除対象だけでなく残した重要ページも調べ、転送ミスと検索需要の変化などを分けて判断しましょう。

まとめ

1,000ページを削除して流入が増えたという事例は、 極端に見えるかもしれませんが、本質はシンプルです。

評価されるのはページ数ではなく、価値の総和。

低品質なコンテンツを抱え続けるよりも、信頼される情報だけを残す勇気が、これからのSEOには求められています。

今一度、自社サイトのコンテンツが「本当にユーザーのためになっているか」を見直すタイミングかもしれません。