セッション数とは? PV・UU数との違いや計測のルールを解説

【監修】株式会社ジオコード Web広告事業 責任者
新井 政樹

セッション数はWebサイトの信頼度を知る上で重要視される要素の一つです。ユーザーのアクセス回数を表すため、セッション数が増えれば売り上げや知名度のアップが期待できます。

そこで本記事では、Webマーケティングに携わる人に向けてセッション数の基礎知識とセッション数を上げる方法をご紹介します。セッション数をさらに増やして、自社WebサイトのCVアップを目指しましょう。

セッション数とは?

セッション数とはユーザーがWebサイトにアクセスした回数を指します。そのため、セッション数が高いほどユーザーからの関心が高く、集客力のあるWebサイトだといえます。

セッション数はアクセス数や訪問数とも呼ばれ、ユーザーがWebサイトにアクセスしてから離脱するまでを1回としてカウントします。

例えば、ユーザーが特定のWebサイトに1日2回アクセスした場合はセッション数は2回。ユーザーが特定のWebサイトに1回アクセスして複数ページを閲覧した場合はセッション数は1回となります。

PVとセッション数の違い

セッション数と同じくサイト解析で重要視される指標にPV(ページビュー)があります。セッション数がユーザーのアクセス数なのに対して、PVはユーザーがページを閲覧した回数です。WebサイトのPVが上がれば、それだけ注目を集めていることになり、顧客や見込み顧客の獲得、売上アップが期待できます。

セッション数はユーザーがWebサイトにアクセスして離脱するまでを1回と数えますが、PVの数え方はもっと簡単です。ユーザーがWebサイト内の2ページを閲覧した場合はPV数は2回、3ページの場合はPV数は3回となります。「ユーザーが閲覧したページ数=PV数」と覚えておくとよいでしょう。

また、ページを更新したり戻るボタンから前ページに戻ったりしてもPV数はカウントされます。

UU数(ユーザー数)とセッション数の違い

セッション数はユーザーがWebサイトにアクセスした回数を指しますが、UU(ユニークユーザー)数は一定期間内にWebサイトにアクセスしたユーザーの数を指します。例えば、1人のユーザーが期間内に何度もWebサイトにアクセスしたとしても、UU数は1のままで増えることはありません。

ただし、1人のユーザーがスマートフォンやパソコン、タブレットなど、複数のデバイスでWebサイトにアクセスした場合は異なるユーザーとして認識されます。1人のユーザーが3つのデバイスでアクセスしたとするとUU数は3となります。

セッション数は30分や1時間など、一定時間経過すると計測がリセットされる仕組みですが、UU数の計測期間も1日や1カ月など、Web運営者が定めた期間でリセットされます。この仕組みにより、定めた期間にどれだけのユーザーがWebサイトにアクセスしたかを把握できます。

セッション数を計測するときのルール

セッション数の計測にはルールが設けられており、基本的にはユーザーがWebサイトにアクセスして離脱するまでを1回とカウントします。

しかし、GoogleはGoogleアナリティクス4(GA4)よってWebサイトのセッション数を算出する際に、以下の条件の場合はセッション数が複数カウントされると示しています。このルールをしっかり理解して、サイトのセッション数を正しく把握できるようにしましょう。

ここからは、その条件と要因について詳しく説明します。

セッション数が複数カウントされる条件要因
時間による期限切れの場合・操作が30分以上されなかった
同一サイトを開いている場合・異なるブラウザを使用して複数のウィンドウを開いた・複数のデバイスで開いた

時間による期限切れの場合

セッション数は時間による期限切れで複数カウントされる場合があります。1人のユーザーが期限切れを何度も繰り返すと、Webサイトに訪問したユーザーは増えていないのにセッション数だけがどんどん増加してしまいます。このようなケースもあることを意識しておきましょう。

時間による期限切れの具体的なケースは、現在のところWebサイトにアクセスしてから30分以上無操作が続いた時です。

ページ操作が30分以上なかった

セッションの計測期限は、デフォルトで30分となっています。ユーザーが30分未満でWebサイトから離脱すればセッション数は1回のままですが、Webサイトを訪問してから30分以上無操作が続くとセッションが切れて再びカウントされます。例えば、ページを開きながら別の作業を行っていて時間が過ぎてしまったり、Webサイト上にある動画を視聴するのに30分以上かかってしまったりすると、セッション数は2回になります。

このようなルールのため、セッション数とユーザー数の関係を正確に計測できないケースも生じてしまいます。セッションの計測期限は1分から4時間で設定できるため、閲覧するのに30分以上かかりそうな要素を入れる場合は計測期限を長く設定しましょう。

同一サイトを開いている場合

検索エンジンがユーザーを識別するためにCookieを用いている特性から、同一のWebサイトを開いていてもセッション数が加算される場合と、そうでない場合があります。

CookieとはユーザーがWebサイトにアクセスした際に、スマートフォンやブラウザに一時的に保存されるWebサイトの情報です。具体的には、閲覧情報やWebサイトにアクセスした日時などが含まれています。

ここでは、同一のWebサイトを開く3つの方法を比較して、それぞれアクセス数がどうカウントされるのか比べてみましょう。

複数タブで開いていた

同一のWebサイトを複数タブで開いていた場合は、タブごとにセッション数が加算されることはありません。なぜなら、タブごとにCookieが区別されるわけではないためです。

複数のタブを開いていても各ページの閲覧開始時間が起点であることは変わらないため、タブをいくつも開いて同一のWebサイトを閲覧していたとしてもセッション数は1回となります。最初に閲覧したWebサイトのページを起点としてセッション数がカウントされます。

複数ウィンドウで開いていた

同一のWebサイトを複数のウィンドウで開いていた場合は、ブラウザが同じか否かでセッション数に違いが生じます。同じブラウザであればCookieも同一であるため、セッション数は加算されず1回のままです。

一方、SafariやGoogleなど異なるブラウザを使用するとCookieが別になるため、開いたウィンドウの数だけセッション数も加算されます。また、ブラウザをCookieなどの情報が保存されないようにできるシークレットモードに設定している場合にも、通常とは異なるCookieが使用されているため、ウィンドウの分だけセッション数がカウントされます。

複数デバイスで開いた

スマートフォンやタブレット、パソコンなど、1人のユーザーが異なるデバイスを使ってWebサイトにアクセスすることも多くなりました。複数のデバイスで同一のWebサイトにアクセスする場合、Cookieが異なるためセッション数はそれぞれ加算されます。

例えば、スマートフォンとパソコンで同一のWebサイトにアクセスするとセッション数は2回とカウントされます。

【注意】GA4でのセッション数の計測ルールの変更点

Googleアナリティクスから最新版のGoogleアナリティクス4(GA4)にバージョンアップされたことで、セッション数が複数カウントされる条件に変更点があります。Googleアナリティクスまではセッション数が再計測された条件でも、GA4ではセッション数が加算されなくなっているため注意しましょう。

セッション数が加算されなくなった条件は2つあります。1つ目は日付が変わった時です。Googleアナリティクスでは0時00分になるとセッション数がリセットされていましたが、GA4ではリセットされません。2つ目はキャンペーンソースが異なる場合です。Webサイトへ別の流入元から再訪問してもセッション数は加算されません。

この2つの変更点によりGA4の方がセッション数が少なくなりますが、より正確なセッション数を把握できるようになったといえるでしょう。

セッション数を増やすための5つの方法

セッション数はWebサイトの集客力を測る重要な指標です。セッション数が増えれば、その分だけ多くのユーザーの注目を集めたことになり、売上アップが期待できます。

WebサイトのCV率を上げるためにも、セッション数の増加は意識すべきことでしょう。

  • SEOを行う
  • ネット広告を運用する
  • ユーザーニーズに応えるコンテンツを作成する
  • ユーザーの流入経路を増やす
  • Webサイトの表示速度を速くする

どのようにすればセッション数が増やせるのか、おすすめしたい5つの方法を紹介します。

SEOを行う

セッション数を増加させるには、検索エンジンからユーザーの流入を増やす方法があります。検索エンジンを経てWebサイトにアクセスさせるには、SEOを行うのが有効です。検索エンジンの上位にWebサイトが表示されると、ユーザーの目に留まりやすくなりセッション数の増加が期待できます。

Webマーケティングなどでよく聞かれるSEOとは、検索エンジンの最適化です。SEOにはさまざまな施策があります。

【SEOの具体例】

  • 検索されやすいキーワードを多用する
  • Webサイトに内部リンクを設置し利便性を高めて検索エンジンに構造を理解しやすくする
  • レスポンシブデザインを採用する

また、被リンクを獲得したり、コンテンツの更新を宣伝したりするような外部との連携でSEOを行う方法もあります。

ネット広告を運用する

セッション数をアップさせるためにネット広告を運用するのも効果的です。ネット広告は主に「リスティング広告」と「ディスプレイ広告」があります。リスティング広告は検索エンジンの検索結果ページに載せられる広告で、ディスプレイ広告はWebサイトなどの広告枠に掲載する広告です。

セッション数を早くアップさせたい場合は、リスティング広告がおすすめです。ユーザーが検索したキーワードに関連する広告が掲載されるため、自社サイトに興味がありそうなユーザーの流入が期待できます。

SEOを実施しても結果を得るのに時間がかかる場合もありますが、リスティング広告は出稿してすぐに掲載される可能性も高いため比較的早く効果を感じられるでしょう。

ユーザーニーズに応えるコンテンツを作成する

SEOのためにいろいろと工夫しても、Webサイトのコンテンツが魅力的でなければ成果につなげることは難しいでしょう。セッション数を増やすためにもユーザーのニーズに応えられるようなコンテンツを作成してください。

また、新規コンテンツの作成だけでなく、もともとある内容をブラッシュアップするのも大切です。記事をリライトして情報を追加したり修正したりするだけでも、コンテンツの質が向上します。質が上がればWebサイトに対するユーザーの満足度もアップし、信頼度の高いWebサイトだと認識されるでしょう。

コンテンツを更新したら、SNSやブログを活用したり、メルマガやメッセージアプリで顧客に通知したりとユーザーに伝わる対策も必要となります。また、検索エンジンにインデックスされる可能性を少しでも高めるために、コンテンツを更新したら再クロールをリクエストしましょう。

ユーザーの流入経路を増やす

セッション数を上げるには、ユーザーが自社のWebサイトにアクセスしやすいように流入経路を増やすとよいでしょう。流入経路となるのは、検索エンジンやSNS、Web広告などです。SNSの場合はユーザー数が多く、投稿が拡散される可能性が高いのが特徴です。拡散されるとさまざまなユーザーの目に留まるため、新規顧客の獲得も期待できます。

他には、ツールをまたがずWebサイトに直接流入させるのも有効的な手段です。具体的にはブックマークやメルマガ、チラシなどのQRコード、URLの直入力などがあります。直接流入のユーザーはリピーターになる傾向が高いため、安定してセッション数を増やせるでしょう。

Webサイトの表示速度を速くする

インターネットユーザーはWebサイトの表示速度に敏感です。自分が知りたい情報に迅速に到達できないと、より良いWebサイトを探すために離脱します。そのため、Webサイトの表示速度が遅いとユーザーの離脱率や直帰率が上がります。

表示速度が重くなってしまう原因は、Webサイト内の画像や動画が重かったり、無駄な外部ファイルが多かったりするなど、さまざまあります。せっかく自社サイトに興味を持ってアクセスしたユーザーを逃さないためにも、Webサイトの表示速度は速い状態を保ちましょう。

また、Googleはページの読み込み速度をデスクトップとモバイル検索のランキングシグナルとして使用していると述べています。表示速度が遅いと検索順位にも影響する可能性があるため注意しましょう。

※出典:Google検索セントラル.「ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用します」

セッション数の改善ならジオコードにお任せください

セッション数はWebサイトの集客力の高さを知る重要なデータです。セッション数の計測ルールを正しく理解して、自社のWebサイトの解析に活用しましょう。また、セッション数を増やしてCVアップにつなげるために、今回ご紹介した5つの方法も試してみてください。

自社でセッション数の計測を含めたWebの解析やセッション数を増やす施策などを行ってもなかなかCVが増えない場合は、専門会社にサポートを依頼するのがおすすめです。

老舗Webマーケティング会社のジオコードなら、セッション数を増やす施策はもちろん、データの解析や検証、改善など、Webサイトのさまざまな悩みを解決できます。自社のWebサイトのパフォーマンスを上げたいときは、ぜひジオコードにご相談ください。