AI Overviewsで検索は終わるのか?──サイバーエージェント調査が示すユーザー行動の変化

【監修】株式会社ジオコード Web広告事業 責任者
新井 政樹

Google検索に表示されるAI Overviewsは、ユーザーの検索行動を大きく変え始めています。

株式会社サイバーエージェントが公開した最新の調査結果からは、多くのユーザーがAI Overviewsの情報だけで検索を終えている一方、リンクをクリックする行動も依然として存在しているという、複雑で重要な実態が明らかになりました。

広告・SEOに関わる担当者にとって、見逃せないデータです。

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サイバーエージェントの調査概要

今回の調査は、サイバーエージェントがGEO(生成エンジン最適化)研究を行う専門組織
「GEO Lab.」にて実施され、2025年12月15日に結果が公開されました。

  • 調査対象:全国の10〜60代の男女
  • サンプル数:9,278名

AI Overviewsが、実際にどの程度ユーザーの検索行動に影響を与えているのかを、定量的に示す内容となっています。

参考:株式会社サイバーエージェント(2025年12月15日)
サイバーエージェント GEOラボ、AI Overviewの利用率に関するユーザー調査を実施

AI Overviewsだけで検索を終えるユーザーは63.2%

調査結果で最も注目すべきなのは、AI Overviewsの情報のみで検索行動を終了するユーザーが全体の63.2%に達している点です。

内訳を見ると、

  • 「時々終了する」
  • 「頻繁に終了する」
  • 「よく終了する」

と回答したユーザーを合算した数値であり、
AI Overviewを見て検索を終了するケースが増えている現状です。

若年層ほど「AIだけで完結」する傾向が強い

世代別に見ると、その傾向はさらに顕著です。

  • 10代:73.6%
  • 20代:66.8%
  • 30代:62.1%

若年層ほど、AI Overviewsの回答を見て満足し、Webサイトへ遷移しないケースが多いことが分かります。

これは、従来の検索体験よりも「早く・分かりやすく答えが得られること」を重視する行動変化の表れと言えるでしょう。

一方で、リンクをクリックするユーザーも半数以上存在

「AI Overviews=クリックされない」という印象を持つ方も多いかもしれませんが、調査結果はもう一つの側面も示しています。

AI Overviews上に表示されるリンクを「時々クリックする」「よくクリックする」と回答したユーザーは、全体で54.2%にのぼりました。

世代別では、

  • 10代:66.1%
  • 20代:63.8%

と、こちらも若年層を中心に高い割合を示しています。

ゼロクリックは進むが、完全ではない

この結果から分かるのは、AI Overviewsによってゼロクリック検索は確実に増えているものの、すべての検索がAIだけで完結しているわけではない、という点です。

ユーザーは、

  • 概要や要点はAIで把握
  • 詳細や信頼性の確認、比較はリンク先で行う

といったように、検索行動を使い分けている可能性があります。

広告・SEO担当者が直面する現実

ジオコードのSEMコンサルタントは、今回の調査を踏まえ、次のような見解を示しています。

AI Overviewsの普及により、Google検索広告や自然検索からの流入は、構造的に減少していく可能性があります。

特に、検索広告を中心に集客してきた企業にとっては、これまでと同じ戦略では成果が出にくくなる場面が増えていくでしょう。

今後見直すべきマーケティング視点

一方で、リンクをクリックするユーザーが一定数存在する以上、Webサイト側の工夫次第でチャンスは残されています。

今後は、

  • AI Overviewsに引用されやすい情報設計
  • 指名検索をいかに増やすか
  • 訪問後すぐに価値が伝わるコンテンツ構成
  • コンバージョンにつながる導線設計

といった点を、従来施策と並行して見直す必要があります。

AI Overviews時代に求められる戦略とは

重要なのは、「AI Overviewsに流入を奪われた」と考えるのではなく、AI Overviewsを前提とした集客設計へ移行することです。

広告・SEO・コンテンツは分断して考えるのではなく、ユーザーの検索体験全体を俯瞰した戦略が求められます。

まとめ

サイバーエージェントの調査結果は、AI Overviewsが検索体験の中心になりつつある現実を示しています。

検索行動は「クリックさせること」から、「理解させ、選ばせること」へと軸足が移り始めています。

広告運用者・Web担当者にとって、今は戦略をアップデートするための重要な分岐点と言えるでしょう。