ブランドセーフティとは? 取り組むべき理由と方法をご紹介

【監修】株式会社ジオコード Web広告事業 責任者
新井 政樹

Web広告の運用において、ブランドセーフティが重要なことは知っているけれど、詳しいことや実際の取り組み方を知っている方は少ないのではないでしょうか。

ブランドセーフティは、ブランドイメージを毀損する恐れのあるコンテンツやWebページに、自社の広告が表示されないようにするために重要な取り組みです。

そこで本記事では、ブランドセーフティの概要や必要とされる理由、取り組み方などについて解説します。

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ブランドセーフティとは?

ブランドセーフティ(Brand Safety)とは、ブランドイメージに悪影響を与える可能性のあるコンテンツやWebページ、動画媒体、SNSに、自社のWeb広告が関連付けられないようにする取り組み全般のことです。主な取り組みには、広告掲載先の精査、アドフラウド対策などが挙げられます。

広告を出稿する際には、違法もしくは不当な媒体に広告が表示されるリスクがゼロではありません。また不特定多数のユーザーが利用するSNSでは、広告主の意図しない形で広告の内容が拡散されることもあるでしょう。

こうした状況に巻き込まれると、ブランドイメージを大きく損なう可能性があります。マイナスな評判が広まることを避け、消費者からの信頼を失わないためにも、広告出稿時にはブランドを保護するための取り組みをすることが重要です。具体的な方法は、後ほど解説します。

ブランドセーフティとブランド適合性の違い

ブランドセーフティと似た概念に、ブランド適合性が挙げられます。前者がブランドイメージにそぐわない広告掲載先や不適切なコンテンツを避ける取り組みであるのに対し、後者はより企業ブランドとマッチする広告掲載元を厳選する取り組みであるという違いがあります。

例えば、高級腕時計や宝石を販売するブランドが、ブランド固有のイメージをアプローチできる広告掲載元を選定するケースを考えてみましょう。子ども向けや節約系のメディアで掲載されるよりも、ラグジュアリーでおしゃれな生活スタイルを紹介するWebサイトや動画コンテンツの方が適していると考えられます。ブランド適合性は、「コンテンツが企業ブランドにとってマイナスにならないか」だけでなく、ブランドのポジティブな印象を強化することに焦点を当てているものです。

ブランドセーフティが必要とされる理由

ここからはブランドセーフティが必要とされる理由を、以下の3つの視点で解説していきます。

  • 広告主の視点
  • 広告が掲載されるメディアの視点
  • ユーザーの視点

それぞれ詳しく見ていきましょう。

広告主の視点

広告主は、自社のブランドのイメージダウンになりかねない不適切な掲載元に、広告が配信されないように注意しなければなりません。

例えば、反社会的な内容を紹介しているメディアやサイト、動画などに広告が掲載されると、健全な企業であってもユーザーからのイメージが下がってしまう可能性があります。

特定の政治団体を支援するテーマの番組が放送された際に、自社のブランドの広告が流れてしまうと、実際には関係なくともその政治団体とブランドとの関係が取りざたされてしまう恐れがあるでしょう。

こうしたリスクを避けるために広告主は、その配信先を十分精査する必要があります。

広告が掲載されるメディアの視点

広告を掲載しているメディアは、不適切な広告を掲載してユーザーからの信頼を失わないように配慮する必要があります。

仮にビーガンの情報メディアに食肉の広告が載ると、不適切な広告を載せているとしてユーザーから不信感を抱かれる可能性があります。もちろん、食肉自体はなんら違法な行為ではありませんが、こうしたリスクがある点は念頭においてください。

違法な内容の広告でないかチェックすることに加えて、メディアがターゲットとするユーザーとの相性も考慮しましょう。

ユーザーの視点

ユーザーの視点で考えると興味のない広告が何度も出てきたら、広告主やメディアに対してネガティブな印象を抱きます。広告を避けるために、そもそもそのメディアを見ないという選択を取る可能性も考えられるでしょう。

またユーザーにとって不快なコンテンツだと、広告主やメディア元の意図しない形で切り取られて炎上するリスクもあります。ユーザーが快適にメディアやサイトを利用できるようにするためにも、ブランドセーフティに取り組む必要があるでしょう。

JICDAQに承認されるには

JICDAQ(Japan Joint Industry Committee for Digital Advertising Quality & Qualify:一般社団法人デジタル広告品質認証機構)とは、Web広告を含むデジタル広告の品質認証を担う機構です。デジタル広告の健全化を目指す3つの団体「JAA」「JAAA」「JIAA」が協力して、立ち上げられました。

JICDAQでは、以下の基準に基づき認証を行います。

  • ブランドを棄損するようなWebサイトを排除する業務プロセスの有無
  • アドフラウドを含む無効トラフィック対策を行う業務プロセスの有無

認証プロセスは、自社でJICDAQが提供するチェックリストを検証する「自己宣言」と、ABC協会による検証を受ける「第三者認証」があります。ABC協会とは、新聞・雑誌・フリーペーパーの部数を、公正な立場から認証し、部数データを公開している一般社団法人です。

JICDAQに認証されることで公式サイトに事業者名が掲載され、誠実な広告配信を行う事業者だという印象を与えられるため、ブランドセーフティを高められるでしょう。

ブランドセーフティに取り組む方法

ブランドセーフティに取り組む方法は、主に以下の5つです。

  • 自社がブランドセーフティを行わなければならない内容を特定する
  • ホワイトリストとブラックリストを作る
  • PMP(プライベート・マーケット・プレイス)を利用する
  • アドフラウド対策ツールを使う
  • ビューアビリティ対策を行う

それぞれ詳しくご紹介します。

自社がブランドセーフティを行わなければならない内容を特定する

まずは自社のブランド適合性を分析し、ブランドセーフティにおいて何を優先すべきなのかを特定しましょう。

例えばタバコを販売するブランドのケースを考えてみます。この場合、子ども向けのコンテンツやWebサイトに広告が掲載されると、未成年喫煙を助長しているイメージを抱かれかねません。アルコールやタバコなど成人向けの嗜好品に関するコンテンツと一緒に広告が表示される方が、適していると考えられるでしょう。

違法・不当なコンテンツ以外など、明らかに企業のマイナスイメージになるものだけでなく、自社がブランドセーフティを行わなければならない内容を特定しましょう。

ホワイトリストとブラックリストを作る

ブランドセーフティを確保するためには、広告の掲載先を選ぶことが重要な点は、これまで述べてきた通りです。これを実現するために、ホワイトリストとブラックリストを作りましょう。

ホワイトリストには信頼できるWebサイトやアプリを、反対にブラックサイトには信頼性に欠けると判断されるドメインやキーワードを含むWebサイトやアプリなどを振り分けます。

広告を配信する際は、ホワイトリストに登録されたWebサイトやアプリのみを選ぶことで、ブランドが不適切なコンテンツと関連付けられるリスクを低減させられます。

PMP(プライベート・マーケット・プレイス)を利用する

PMP(プライベート・マーケット・プレイス)とは、広告配信主と媒体主を限定したプライベートな広告取引所のことです。出稿前の段階で、どのようなメディアやWebサイトに掲載されるのかを事前に把握できます。

PMPは信頼のおけるサイトにのみ出稿でき、広告掲載先の品質を担保できる点がメリットです。またブランドセーフティを高めつつ、広告費の最適化、効果的な広告配信の実現などの効果も期待できます。

アドフラウド対策ツールを使う

アドフラウド(Ad Fraud)とは広告詐欺や不正広告とも呼ばれる、インプレッション数やクリック数を不正に稼ぎ、広告費を水増しする広告のことです。アドフラウドが行われると、広告費が余計にかかるだけでなく、正しく広告の効果を測定できなくなります。アドフラウドはボットなどを使って故意的に行われるケースが多いため、十分な対策が必要です。

アドフラウド対策には「不正なクリックのブロック」「不正クリックの原因の探索」「不適切なサイトへの掲載を防止」などの機能が搭載されているツールなどを使っていきましょう。

ビューアビリティ対策を行う

ビューアビリティ(Viewability)とは、ユーザーが認識できる状態で広告が表示された比率のことです。Web広告はユーザーが開いた瞬間に見えるファーストビューだけでなく、スクロールすることで初めて表示されるものも含まれます。

後者の場合、ユーザーが実際には広告を見ていなくても「広告が表示された」とカウントされるため、無駄に広告費がかかってしまうことになります。そうならないように以下に示すようなビューアビリティ対策を行うことが重要です。

  • 広告サイズを調整する
  • vCPM(viewable Cost Per Mille)課金形式を採用する
  • ユーザーの目を引くクリエイティブに改善する

まとめ

ブランドセーフティとは、ブランドイメージを保護するために、不当なコンテンツや違法サイトに広告が掲載されないようにする取り組みのことです。ブランドセーフティを強化すると、ブランドの評判を維持しつつ、消費者からの信頼を失わずに広告の出稿を行えます。

実際にブランドセーフティに取り組む際は、「自社がブランドセーフティを行わなければならない内容を特定する」「ホワイトリストとブラックリストを作る」「アドフラウド対策ツールを使う」などの対策から進めてみましょう。こうした対策を自社で行うことに不安が残る場合は、Web広告の運用代行サービスの利用をご検討ください。

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