リスティング広告代理店の選び方|成果を出すために契約前に聞くべきこと

【監修】株式会社ジオコード Web広告事業 責任者
新井 政樹

リスティング広告代理店を選ぶときは、実績の数だけでは判断できません。自社の課題に合う提案か、担当者と改善を進められるかが重要です。この記事では、契約前の質問と確認資料を整理します。

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リスティング広告代理店の選び方は自社の条件整理から始める

代理店への相談前に、依頼したいことを社内でそろえましょう。同じ条件で相談すると、提案内容の違いを見つけやすくなります。

広告運用だけを任せたい場合と、集客全体を見直したい場合では、必要な支援が異なります。会社の規模や知名度を見る前に、自社で判断するための軸を持つことが大切です。

目的と成果の定義を決める

まず決めたいのは、広告で増やしたい事業上の成果です。問い合わせ数だけでなく、その後の商談や購入も考えましょう。

資料請求が増えても、対象外の相談ばかりでは営業の負担が増えます。どの顧客を獲得したいか、受注につながる条件は何かを伝えてください。

  • 販売したい商品と、その利益が生まれる仕組み
  • 対象地域、顧客層、対応できない相談
  • 目標とする成果と、成果を確認できる社内データ
  • 現状の課題、過去に試した施策、配信を始めたい時期

数値目標がまだなくても構いません。分かっていることと、代理店と相談して決めたいことを分けておきましょう。

広告予算と依頼範囲を分けて伝える

広告予算は、媒体に支払う費用と支援費用を分けて整理します。制作や計測の費用も含め、支出できる総額を伝えることが必要です。

リスティング広告代理店にも、運用中心の会社や制作まで扱う会社があります。分析を深めたいなら計測体制、社内に知識を残したいなら教育支援も比較対象です。

自社で運用できる範囲が広ければ、部分的な相談という選択もあります。社内担当者の作業時間と、外部に任せることで減る負担を比べてください。

実績と提案の根拠を確かめる質問

実績は、自社に近い条件で何を改善したかまで確認しましょう。成果の大きさと再現できる条件を分けて聞くことがポイントです。

Webサイトの事例や認定情報は、面談前の確認に役立ちます。ただし、会社の実績を実際の担当者が経験しているとは限りません。

似た案件で何を変え、どこまで成果を追ったか

同業の実績があるかに加え、商品や購入までの流れも確かめます。業界名が同じでも、単価や対象地域で運用条件は変わるためです。

「自社に近い案件では、どの課題をどう改善しましたか」と聞いてみましょう。匿名の資料でも、開始時の状況、変更内容、結果の関係は確認できます。

  • 広告予算や対象地域など、事例の前提条件
  • 成果として数えた行動と、計測方法
  • 広告以外に同時期に変えたこと
  • 担当予定者の関与と、うまくいかなかった対応

守秘義務で開示できない情報があること自体は問題ではありません。開示できる範囲で、判断の理由を具体的に説明できるかを見てください。

予測値は何を基に計算しているか

提案の予測値は、契約後の成果を保証するものではありません。数値だけを比べず、計算の前提を説明してもらいましょう。

クリック単価や成約率の想定が変われば、必要な予算も変わります。過去の自社データ、類似案件、媒体の予測のどれを使ったかが確認点です。

良い条件だけで作った予測では、未達時の対応を考えられません。反応が想定を下回った場合の見直し方や、追加費用の有無も聞いておくと役立ちます。

常に上位へ掲載できる、必ず受注できるといった説明は慎重に確認してください。Googleのサードパーティ向けポリシーでも、広告の最上位掲載の保証は禁止されています。

最初に直す課題と後回しにする課題は何か

提案の質は、施策の多さだけでは測れません。自社の制約を踏まえ、取り組む順番を説明できることが重要です。

「限られた予算で最初に何を直しますか」と質問しましょう。計測が壊れているなら、入札や広告文の調整より復旧を優先する場面もあります。

広告を増やす以外の案も聞いてください。商品説明や問い合わせ対応に原因がある場合、広告費の増額だけでは解消しにくいためです。

実際の担当者と運用体制を確かめる質問

契約後に改善を進めるのは、提案した会社の実務担当者です。営業面談だけで終えず、誰が何を担当するかを確認しましょう。

資格や認定は知識を確認する材料になります。ただし、案件への理解や連絡体制まで保証するものではありません。

誰が運用し、誰と直接相談できるか

営業窓口と運用担当者が異なる体制は珍しくありません。大切なのは、現場の判断が正確に伝わる仕組みです。

契約前に、担当予定者を交えた面談を依頼しましょう。自社の課題を説明したときに、何を追加で質問するかも判断材料になります。

  • 日々の設定変更を行う人と、方針を確認する責任者
  • 定例会に参加する人と、質問への回答経路
  • 再委託の有無と、委託先が扱う情報
  • 担当者変更の通知方法と、引き継ぎの進め方

専門用語が多い場合は、具体例で説明してもらってください。理解できないまま同意する必要はありません。

担当案件数と不在時の支援体制はどうなっているか

担当案件数は、対応できる時間を知るための質問です。一律の件数で良し悪しを決めず、案件の難しさや補助体制も聞きましょう。

自動化の利用範囲、分析担当の有無、上長の確認方法で負荷は変わります。日常の対応と、障害や急な変更への対応を分けて確認することが有効です。

休暇時の代理担当、緊急連絡先、対応時間を文書でもらってください。自社の営業時間や繁忙期に合うかを判断できます。

設定ミスと予算超過をどう防ぐか

経験者が担当していても、入力や連絡のミスは起こり得ます。個人の注意力だけに頼らない確認方法が必要です。

配信開始前の確認表や、変更後の確認手順を見せてもらいましょう。広告文、配信地域、リンク先、予算のどこを誰が確認するかが要点です。

自社の承認が必要な変更も決めておきます。予算の増額、訴求の変更、対象地域の拡大などは、判断する担当者を明確にしてください。

費用と契約条件を確かめる質問

手数料の安さだけでは、実際の支払額や受けられる支援は分かりません。見積書と契約書を照合し、条件を書面で確認しましょう。

費用の違いが作業範囲によるものか、料金体系によるものかを分けると比較しやすくなります。口頭の説明だけで判断を終えないことが大切です。

媒体費と管理費は分かれているか

媒体への支払額と代理店の管理費は、分けて確認してください。広告費に連動する料金では、増減時の計算方法も必要です。

Googleのポリシーは、媒体費に管理費を混ぜて報告しないよう求めています。請求書の内訳と、管理画面で確認できる費用の関係を説明してもらいましょう。

確認する費用契約前に聞く内容
初期費用構築、調査、計測設定のどこまでを含むか
運用管理費固定・連動の別、最低料金、計算対象
媒体への支払額支払者、請求方法、未消化時の扱い
制作費広告文、画像、LPの制作と修正の範囲
追加作業費計測改修、特別集計、臨時会議の扱い

最低出稿額がある場合は、予算が下がったときの扱いも確認します。金額だけでなく、支援内容との組み合わせで検討しましょう。

通常料金に含まれない作業は何か

運用代行という名称でも、含まれる業務は会社ごとに異なります。依頼したい作業を一覧にし、対応可否と追加料金を確かめましょう。

ランディングページは、広告をクリックした人が最初に見るページです。以降はLPと呼びます。

LPの改善提案が含まれていても、修正作業は別料金の場合があります。提案、原稿作成、デザイン、実装の担当を分けて聞いてください。

計測タグの設定や、社内データとの連携にも同じ確認が必要です。制作会社への依頼を誰が行うかまで決めると、開始後の停滞を防ぎやすくなります。

契約期間と終了時の条件は何か

契約期間は、開始日と終了日だけの確認では足りません。更新や解約の通知期限、途中終了時の費用も確認する必要があります。

検証に必要な時間と、解約できる条件は別の問題です。成果を評価する前提を共有したうえで、継続判断の時期を決めましょう。

契約条件確認する内容
契約開始準備開始、配信開始、課金開始の関係
期間と更新最低契約期間、自動更新、通知期限
中途終了手続き、精算、発生する費用
配信停止依頼方法、反映の流れ、管理費の扱い
成果物広告文や制作データの利用条件と引き渡し範囲

契約上の判断に迷う箇所は、社内の法務担当などにも確認してください。合意した条件を残してから契約に進みましょう。

計測と情報共有の進め方を確かめる質問

代理店に任せても、成果を判断するための情報は自社でも必要です。画面を見る権限と、数字を読み解く支援の両方を確かめましょう。

報告の回数が多くても、次に何を変えるかが分からなければ改善は進みません。数字、理由、行動をつなげる説明を求めてください。

何を成果として数え、営業結果をどう共有するか

コンバージョンとは、購入や問い合わせなど、計測対象にした行動です。その定義が自社の事業目標と合っているかを確認しましょう。

「問い合わせと資料請求を区別できますか」と聞くと、計測の粒度が分かります。重複送信、営業目的の連絡、既存顧客の問い合わせの扱いも相談してください。

さらに、商談や受注の結果を誰が整理するかを決めます。広告側の報告と営業側の実績を突き合わせ、集客の量と質を確認するためです。

顧客情報を外部へ共有する場合は、必要な項目と扱う目的を限定しましょう。社内の情報管理方針や同意の要件も確認する必要があります。

管理画面と変更履歴を確認できるか

報告書の共有と、広告アカウントへのアクセスは別の条件です。自社が見られる範囲と、変更できる範囲を分けて聞きましょう。

Google 広告では、ユーザーのアクセス権を設定できます。代理店が使う管理用アカウントの権限と、自社の権限も区別が必要です。

「所有」という言葉だけで判断せず、管理者の一覧や権限の設計を確認してください。請求の管理、アクセスの管理、契約上のデータの扱いは、それぞれ論点が異なります。

共有パスワードの受け渡しを前提にせず、各担当者へ必要な権限を付けましょう。退職や担当変更があったときの見直しも決めておきます。

報告書から次の改善内容が分かるか

レポートの見本では、数値の一覧以外の部分を確認しましょう。目標との差、その原因、次の対応が説明されていることが大切です。

  • 成果が変わった要因と、まだ確認できていない仮説
  • 実施した変更と、その判断理由
  • 次に試す施策、担当者、確認する時期
  • 自社に必要な承認や、準備する情報

閲覧できる範囲の見本で構いません。専門外の担当者でも、意思決定に使える説明になっているかを確かめてください。

代理店の切り替えと引き継ぎまで確認する

契約終了時に困らないためには、開始前から引き継ぎ条件を決める必要があります。既存の代理店から切り替える場合も、過去の情報を確認しましょう。

アカウントをそのまま使えるか、必要な設定を引き継げるかで準備は変わります。新しい代理店との契約だけで、従来の権限や請求が自動で切り替わるわけではありません。

どのデータと設定を引き継げるか

引き継ぎは、報告書を受け取るだけでは終わりません。配信と計測を継続するために必要な情報を一覧にしましょう。

  • 広告アカウントの識別情報と、自社のアクセス権
  • 広告文、キーワード、除外設定、配信地域
  • 計測タグ、成果の定義、解析ツールとの連携
  • LPの編集権限、制作データ、利用条件
  • 過去の検証結果と、変更理由の記録

媒体の仕様や契約により、別アカウントへ移せない情報もあります。引き継げない項目は、理由と代替方法を事前に確認してください。

配信と計測を止めずに移行できるか

移行時は、旧担当と新担当の作業が重ならないようにします。変更権限や支払いを切り替える順序を決めることが必要です。

移行前後の確認表を作り、作業日、担当者、完了条件を記録しましょう。確認が終わる前に旧権限を外すと、調査しにくくなる場合があります。

引き継ぎに伴う配信停止の可能性も聞いてください。止められない期間があるなら、早い段階で伝えて調整します。

同じ条件で比較し、開始後の評価方法まで決める

最後は、回答と資料を同じ項目で並べて比較しましょう。印象に残った説明だけで決めず、重要条件の未確認を減らすことが大切です。

評価の重みは、自社の課題に合わせて決めます。計測に問題がある会社と、制作が追いつかない会社では、優先する項目が異なるためです。

比較の軸受け取りたい資料判断するポイント
提案課題整理と予測の前提自社条件とのつながり
体制担当者と役割の一覧相談と確認が進む仕組み
費用作業別の見積書総額と追加料金の明確さ
計測成果の定義と報告見本事業成果を判断できるか
継続と終了契約条件と引き継ぎ一覧未達時と終了時の進め方

必須条件が未確認なら、契約前に追加質問を送りましょう。開始後に何を見て評価するかも、担当者と合意しておくと役立ちます。

リスティング広告代理店は、契約して終わりではありません。自社の事業情報を共有し、判断の根拠を確かめながら改善を進めていきましょう。