WordPressサイトのハッキング被害とは? 原因や対策を解説
2024年9月30日
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更新日:2026年 05月 11日
【監修】株式会社ジオコード Web制作事業 責任者
坂従 一也
WebサイトやWebサービスは、公開して終わりではありません。情報発信、問い合わせ対応、商品販売、採用活動など、事業のさまざまな役割を担う一方で、外部から攻撃を受ける入口にもなりやすい存在です。
そのため、Webサイトを運営するうえでは、見た目や使いやすさだけでなく、安全に使い続けられる状態を保つことが欠かせません。
実際に、IPAが公表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向け脅威として「ランサム攻撃による被害」が1位、「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」が2位、「システムの脆弱性を悪用した攻撃」が4位に挙げられています。また、IPAは順位が危険度そのものを表すわけではなく、自組織に関係する脅威へ幅広く対策することが重要だと示しています。
さらにNISCは、企業のサイバーセキュリティ対策を強化するには、従業員一人ひとりが基本的な知識を身につけ、事故発生時に正しい行動を取れる企業風土を醸成することが経営層の責任だと示しています。
つまり、Webセキュリティは一部の担当者だけが考えるものではありません。Webを事業に使う以上、組織として継続的に向き合うべきテーマです。
この記事では、Webセキュリティの必要性を整理しながら、対策が欠かせない理由、見落としやすいリスク、最低限見直したいポイントをわかりやすく解説します。
Webセキュリティが必要とされる大きな理由は、攻撃の対象が大企業だけではないからです。
Webサイトは公開されている以上、常に外部からアクセスされる前提で成り立っています。企業規模が小さいから狙われない、知名度が高くないから安全という考え方は危険です。脆弱性が残っていたり、管理画面の認証が弱かったり、更新が止まっていたりすれば、業種や規模に関係なく攻撃の対象になる可能性があります。
特に、Webサイトが顧客接点になっている企業では、被害の影響が大きくなりやすくなります。現在のWebサイトは、単に会社案内を載せる場所ではありません。問い合わせ、資料請求、予約、会員登録、採用応募、商品購入など、事業活動の入口として使われることが増えています。
そのため、Webサイトが停止したり、フォームが使えなくなったり、不正なページへ誘導されたりすると、単なる技術トラブルでは済みません。売上機会の損失、問い合わせ対応の増加、顧客からの信頼低下につながる可能性があります。
また、Webセキュリティは企業やサービスへの信頼を守るためにも重要です。一度でも情報漏えいや改ざんが起きると、利用者は「このサイトを使って大丈夫なのか」と不安を感じます。信頼は積み上げるのに時間がかかりますが、失うのは一瞬です。だからこそ、Webセキュリティは事業を安定して続けるための土台として考える必要があります。

Webセキュリティを軽視すると、まず情報漏えいや不正アクセスのリスクが高まります。
WebサイトやWebサービスでは、問い合わせ情報、会員情報、取引先情報、管理画面の認証情報など、さまざまなデータを扱います。これらが適切に守られていなければ、第三者に取得されたり、悪用されたりするおそれがあります。
特にIDとパスワードの管理は基本ですが、軽視されやすい部分でもあります。IPAは、IDやパスワードを第三者に知られた場合、不正ログインされ、個人情報などが漏えいするおそれがあると注意喚起しています。
また、Webセキュリティの不足は、サイト改ざんやサービス停止にもつながります。脆弱性を放置すると、ページを書き換えられたり、不正なスクリプトを埋め込まれたり、外部サイトへの誘導に悪用されたりする可能性があります。Webサイトが問い合わせや販売、予約、採用の入口になっている場合、停止や改ざんはそのまま事業機会の損失につながります。
さらに、自社だけでなく取引先や利用者へ被害が広がることもあります。自社サイトが改ざんされ、訪問者が不正ページへ誘導されれば、利用者にも危険が及びます。取引先とのやり取りに使う情報が漏れれば、社外にも影響が広がる可能性があります。IPAがサプライチェーンや委託先を狙った攻撃を組織向け脅威の上位に挙げていることからも、一社の対策不備が関係先のリスクにつながることがわかります。
そして、事故後に特に重くなるのが信頼回復の負担です。情報漏えいや改ざんが起きると、原因調査、復旧、顧客説明、問い合わせ対応、再発防止策の実施が必要になります。目先の対策を後回しにした結果、後から大きなコストと社内工数が発生することもあります。

Webセキュリティ対策では、最初から完璧を目指すよりも、基本対策を継続することが重要です。
高度なツールや大がかりな仕組みを導入する前に、まずはCMSやプラグインを更新し、使っていない機能を削除し、管理画面のIDとパスワードを適切に管理し、権限を必要最小限に絞ることが大切です。こうした対策は地味ですが、被害を防ぐうえで欠かせない基本になります。
また、Webセキュリティは技術対策だけで完結しません。ツールを導入していても、誰が更新を担当するのか、異常を見つけたときに誰へ連絡するのか、外部の制作会社や保守会社とどう連携するのかが決まっていなければ、問題が起きたときに対応が遅れます。
NISCが示すように、従業員一人ひとりが基本的な知識を身につけ、事故発生時に正しく行動できる企業風土を整えることも重要です。Webセキュリティは担当者任せにするのではなく、組織として運用できる形にしておく必要があります。
さらに、自社だけでなく取引先や委託先も含めて見る視点が欠かせません。Web制作、保守、サーバー管理、広告運用などを外部へ委託している場合、自社だけが対策していても十分とは言えません。どの会社がどの範囲を管理しているのか、緊急時に誰へ連絡するのか、権限管理は適切かを確認しておくことが大切です。
そして、事故は完全に防げないものとして備える視点も必要です。攻撃をゼロにすることだけを目指すのではなく、問題が起きたときに早く気づき、被害を広げず、復旧できる状態を作っておくことが実務では重要になります。
Webセキュリティを強化するうえで、まず見直したいのはCMSやプラグインの更新です。WordPressなどのCMSや拡張機能を古いまま放置すると、既知の脆弱性を悪用される可能性があります。更新作業は目立ちにくく後回しにされがちですが、Webサイトを安全に保つための基本です。
次に、IDとパスワードの管理も重要です。短いパスワードを使い続けたり、複数サービスで同じパスワードを使い回したり、退職者のアカウントを残したままにしたりすると、不正アクセスのきっかけになりやすくなります。管理者権限は必要な人だけに絞り、不要なアカウントは削除することが大切です。
外部へ公開している機能も見直しましょう。問い合わせフォーム、ファイル送信機能、会員登録画面、管理画面などは便利ですが、外部から触れられる入口でもあります。使っていないフォームや不要な機能を残していると、攻撃対象を増やすことになります。必要な機能だけを残し、公開範囲を広げすぎないことが重要です。
バックアップと復旧手順も整えておく必要があります。どれだけ対策しても、事故を完全に防ぐことはできません。定期的にバックアップを取り、どの時点まで戻せるのか、誰が復旧作業を行うのか、緊急時にどこへ連絡するのかを事前に決めておくことで、問題が起きたときの混乱を抑えやすくなります。
最後に、Webセキュリティを担当者一人に任せきりにしないことも大切です。更新担当、制作会社、情報システム部門、外部保守会社など、関係者の役割を整理しておくことで、異常発生時の初動が早くなります。Webセキュリティは設定だけの問題ではなく、運用と連携の問題でもあります。
Webセキュリティは、WebサイトやWebサービスを安心して運営し続けるための土台です。
Webサイトは、情報発信、問い合わせ対応、販売、採用など、事業のさまざまな場面で使われています。そのため、不正アクセス、改ざん、情報漏えい、サービス停止が起きると、単なるシステム障害では済まず、顧客対応、取引先との関係、売上機会、事業継続にまで影響が広がります。
IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも、ランサム攻撃、サプライチェーンや委託先を狙った攻撃、システムの脆弱性を悪用した攻撃が組織向け脅威として挙げられています。NISCも、従業員が基本的な知識を持ち、事故発生時に正しい行動を取れる企業風土を整えることが経営層の責任だと示しています。
実際の対策では、CMSやプラグインの更新、IDとパスワードの管理、不要な公開機能の削除、バックアップと復旧手順の整備、関係者の役割分担が基本になります。
Webセキュリティで大切なのは、攻撃を完全にゼロにすることだけではありません。問題が起きにくい状態を保ち、万一何か起きても被害を広げず、早く立て直せる状態を作ることです。
安心してWebを運営し続けるためには、見た目や使いやすさと同じように、安全性も継続運営に必要な基本条件として整えておくことが重要です。