CPA改善の事例から学ぶ!成果を伸ばした広告とLPの見直しポイント

【監修】株式会社ジオコード Web広告事業 責任者
新井 政樹

CPA改善の事例を参考にするときは、改善率よりも変更した内容に注目しましょう。同じ広告手法でも、商材や成果の定義が異なれば結果は変わります。

本記事では、支援会社が公開する動画広告、広告運用、入札の事例を紹介します。広告とLPのどこを見直し、自社で何を検証するかを考えるための内容です。公開されていない条件も区別し、成果の数字だけを目標にしない読み方を解説します。

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CPA改善事例は成果の定義と比較条件から読む

CPAは、対象の広告費をコンバージョン数で割って求める単価です。事例を比較する前に、何を獲得した数字なのかを揃えましょう。

購入・無料体験・問い合わせを同じ成果にしない

CPAの対象は、商品購入とは限りません。資料請求や無料体験の申し込みなど、企業ごとに成果地点が異なります。

無料体験のCPAが下がっても、有料契約の獲得単価が下がったとは断定できません。その後の参加率や契約率が変わる可能性があるためです。自社で参考にする際は、事例のCVと自社のCVを並べて確認してください。

ボタンのクリックと送信完了も、別の行動として扱う必要があります。途中の行動が増えただけでCPAが改善したように見える場合もある点が注意点です。営業や販売の成果につながっているか、後段の指標も確認しましょう。

改善率と改善後の金額を区別する

CPAの改善率は、改善前を基準にどれだけ下がったかを表します。改善後のCPAがいくらかは、元の金額が分からなければ判断できません。

以下は計算の違いを示す仮定の例です。CPAが1万円から6,000円になった場合、減少額は4,000円となります。元の1万円で割ると40%減であり、40ポイント低下とは表現しません。

CVRの変化も同じく単位に注意しましょう。仮にCVRが2%から3%になれば、差は1ポイントです。一方、元の率を基準にした相対的な増加は50%となります。

期間・広告費・獲得数が分からない部分を補わない

成果の発生期間と記事の公開日は、別の情報です。公開日が分かっても、比較対象の開始日や終了日まで分かるとは限りません。

確認したいのは、改善前後の期間、広告費、CV数、計測方法です。繁忙期やセールの影響を受けていないかも判断材料になります。複数の施策を同時に変えた事例では、特定の変更だけの効果とみなさないことが大切です。

不足する情報があっても、施策の考え方まで無価値になるわけではありません。確認できる事実と自社の仮説を分ければ、改善案を考える材料として活用できます。公開されていない金額や期間は、推測で埋めないようにしましょう。

動画広告の訴求を変えたCPA改善事例

動画広告では、素材の見栄えだけでなく伝える内容が重要です。KAIZEN PLATFORMの公開事例から、訴求を検証する進め方を見ていきましょう。

キラメックスは無料体験につながる訴求を検証

キラメックスの事例は、動画制作の体制と検証方法を見直した例です。成果地点は、オンラインスクールの無料体験申し込みでした。

同社は、訴求内容に合った動画を作る社内リソースが不足していました。既存素材を活用し、ナレーションやテキストなどを変えて検証を進めたと報告しています。公開記事では、約2週間ごとのテストと修正が紹介されています。

結果は、出稿料が変わらない中でCPAが40%減という報告です。CV数の増加にも言及していますが、前後のCPA実額とCV実数は掲載されていません。成果比較の具体的な開始日と終了日も非公開のため、短期達成とは断定しません。

※参考:KAIZEN PLATFORM.「いかに動画広告でユーザー獲得を狙うのか。キラメックスが仮説検証を繰り返し、CPA40%改善を実現できた理由」.入手先https://kaizenplatform.com/case/kiramex ,(公開日:2021年1月19日、最終更新日不明、2026年10月15日確認).

自社へ応用するなら、何を変えた素材同士なのかを整理することが大切です。例えば、利用後の便益と学習中の悩みでは、伝える焦点が異なります。動画の長さや配信条件も同時に変える場合は、個々の効果を断定しないようにしましょう。

オーネットはテレビCM素材の転用から専用動画へ変更

オーネットの事例は、配信先に合わせて広告素材を作り直した例です。会員獲得を目的としたYouTube広告で、既存素材の転用を見直しました。

公開記事では、テレビCM素材を使用したときよりCPAが半分になったと報告しています。動画を比較しながら訴求を探す取り組みも説明されています。ただし、会員獲得という目的と、計測上のCVイベントの詳細は区別が必要です。

前後のCPA実額、CV実数、集計期間は公開記事では確認できません。会員獲得のための施策でも、入会完了だけを測ったCPAとは断定しない扱いです。公開当時の成果であり、現在の同社の数値を示すものでもありません。

※参考:KAIZEN PLATFORM.「CPA50%改善。会員獲得を目的としたオーネットのYT動画広告施策の裏側」.入手先https://kaizenplatform.com/case/onet ,(公開日:2022年6月9日、最終更新日不明、2026年10月15日確認).

ここから考えられるのは、媒体に合う情報量と伝える順序を検証する方法です。自社紹介を詰め込むより、視聴者の課題と次の行動を明確にする案が候補になります。別媒体で評価された素材も、そのまま同じ成果が出る前提では使わないようにしましょう。

動画とLPで伝える約束を揃える

動画の改善を試す際は、クリック後のLPまで確認します。広告で関心を持った内容が見つからなければ、成果につながらない可能性があるためです。

例えば、動画で無料体験を案内するなら、LPでも内容と利用条件を示します。有料サービスの説明ばかりが続くと、視聴者は目的の情報を探す必要が生じる状態です。対象者、得られる価値、申し込み後の流れを揃えてください。

これは公開事例で報告された追加施策ではなく、自社で検証する際の応用案です。動画の視聴指標とLPの成果を分けて見れば、改善箇所を絞りやすくなります。クリック率が上がった場合も、有効な申込が増えたかまで確認しましょう。

計測と広告・LPの組み合わせを見直した事例

CPAが高い原因は、入札単価だけとは限りません。コンバージョンアドの公開事例では、計測から事業成果までをまとめて見直しています。

匿名案件では計測修正と配信構造の整理を実施

この事例は、広告主名を公開していない支援案件です。代理店変更後の改善として、計測、配信構造、LP、事業指標を扱っています。

記事では、3カ月でCPAを52%改善したと報告しています。完了ページの計測設定を修正し、指名検索と一般検索の構成を整理した内容です。さらに流入意図に応じたLPの出し分けや、成約・売上を確認する仕組みも整えています。

※参考:株式会社コンバージョンアド.「【事例】広告代理店の乗り換えでCPAが52%改善した理由。アカウント内で起きていた目詰まりを解消した実例。」.入手先https://conversion-ad.jp/ad-operations/1413/ ,(公開日:2026年6月30日、最終更新日不明、2026年10月15日確認).

自社で確認すべきなのは、管理画面の数字が事業上の成果と結び付いているかです。フォーム手前の行動しか測れていないなら、完了まで追う方法を調べましょう。配信構造の変更は、それぞれの予算や目標を分ける理由があるかで判断します。

改善率をLPだけの効果とはみなさない

公開された改善率は、複数の施策を進めた結果として扱う必要があります。LPの変更だけで同じ改善が起こると考えるのは避けましょう。

事例では、計測方法も見直している点に注意が必要です。前後のCPA実額やCV実数、成果の具体的な行動名は示されていません。改善期間の暦日や同一定義での再集計方法も不明なため、数値の再計算はできない状態です。

自社では、計測修正日と広告施策の変更日を別に記録しましょう。重複の除去や成果地点の変更だけでも、見かけのCPAは変わり得ます。実際の問い合わせや受注の記録と照らし合わせて、事業上の変化を確認することが大切です。

LPの出し分けは検索意図の違いから考える

事例を応用するなら、広告とLPを対応させる基準を決めます。ページ数を増やすこと自体を目的にしない方が、管理負担を抑えられるためです。

例えば、料金比較をしたい人と、用途への適合を調べる人では必要な説明が異なります。前者には費用条件、後者には対応範囲を見つけやすくする案が候補です。これは自社の検索語句や問い合わせ内容から検証する考え方となります。

指名検索だから説明が不要と決めつける必要はありません。既存利用者の操作方法の検索が混ざっていないかも確認しましょう。意図の違いが小さい場合は、LPを増やす前に同じページの案内を改善する方法もあります。

目標CPAを使う自動入札で改善した事例

入札方式の見直しも、CPA改善の選択肢です。ブランディングテクノロジーの公開例では、予算制約がある商品購入の広告を扱っています。

商品購入のCPAとCPCが下がった公開例

この事例の成果地点は商品購入です。予算によって配信量が制限される中、目標CPAを使う入札方式を導入したと説明されています。

公開されているCPAは、導入前が11,920円、導入後が2,856円です。CPCも138円から97円に下がったと報告されています。広告主名、前後の集計期間、購入件数、広告費は掲載されていません。

※参考:ブランディングテクノロジー株式会社.「【運用Tips】目標コンバージョン単価を活用したCPA改善事例」.入手先https://www.branding-t.co.jp/case/digitalmarketing/14510/ ,(公開・更新日不明、2026年10月15日確認).

この結果だけでは、同じ予算で何件購入が増えたかまでは分かりません。商品価格や粗利、返品も不明なため、利益改善額を計算することもできない状態です。入札変更の候補を考える材料として活用し、数値の再現を前提にしないようにしましょう。

CPCの低下だけで改善理由を決めない

CPCが下がった事例でも、CPAの変化はCVRと合わせて考えます。成果の定義や配信構成が不明なまま、原因を分解しすぎないことが重要です。

同じクリックを母数とするCVRなら、CPAはCPCをCVRで割って表せます。ただし、セッション基準のCVRや視聴経由の成果を混ぜると条件が変わります。公開事例の数値から、根拠のないCVR推移を補わないようにしてください。

自社での検証では、クリック単価に加えて成果数と購入内容を記録します。単価が安い流入が増えても、購入率や客単価が下がれば期待通りとは限りません。広告の効率と売上への影響を分けて確認しましょう。

過去の設定名や目標値をそのまま使わない

過去事例に出てくる入札や配信の名称は、現在と異なる場合があります。施策の考え方を参考にしつつ、設定は媒体の現行仕様で確認しましょう。

Google 広告では、目標CPAに当たる入札戦略を目標アクション単価と案内しています。目標を低くしすぎると、獲得につながる配信機会が減る可能性がある仕組みです。事例の目標額を真似るより、自社の実績と許容額から考えてください。

動画アクションキャンペーンも、デマンドジェネレーションへ移行しています。旧名称を使う記事を、そのまま現在の設定手順として扱うのは適切ではありません。配信面や計測条件を確認してから、新しい検証を設計しましょう。

事例を自社のCPA改善につなげる手順

事例から取り入れるのは、見た目や改善率だけではありません。自社の原因に合う仮説を立て、結果を比較できる状態を作ることが大切です。

計測を確認してから広告とLPの課題を分ける

まず、広告管理画面のCVと実際の申込記録を照合します。計測が正しいと確認できたら、広告側とページ側の課題を調べましょう。

CPCが上がったのか、CVRが下がったのかで見る場所が変わります。広告費、クリック数、CV数を同じ期間と範囲で並べると判断の出発点になります。商品条件や受付体制の変更も、広告担当者だけでは見落としやすい項目です。

成果までの時間が長い場合は、直近のCPAで早急に結論を出さないようにします。広告を見てから後日申し込む分がまだ反映されていない可能性があるためです。獲得数と有効な成果が出揃うタイミングを確認してください。

変更する理由と期待する行動を言葉にする

仮説は、何を変えれば誰が行動しやすくなるかまで書くと具体的です。色やレイアウトの変更だけでは、失敗したときの学びが残りにくくなります。

例えば、費用が分からず相談をためらう人に、料金条件を示す仮説を置きます。変更後に見る指標は、クリック率より相談完了率が中心となる設計です。営業に寄せられる質問や、フォームの操作記録も仮説の裏付けに使ってください。

一方、目的と違う流入が多ければ、LPより広告の対象を見直す方が先です。自社の問題と事例の課題が似ているかを確認しましょう。別の原因に対する成功例を取り入れても、期待した変化が起きるとは限りません。

比較条件と途中で止める基準を先に決める

検証前に、対象者、成果地点、判定方法を決めておきます。結果を見てから都合のよい期間だけ選ぶと、判断が偏る恐れがあるためです。

A/Bテストを行うなら、配信比率や計測、対象の振り分けを確認しましょう。必要なデータ量は、元のCVRや見つけたい差によって変わります。日数だけを固定して、少数の成果で勝敗を決めないことが重要です。

フォームが動かないなどの不具合は、成果の比較を待たずに対応します。通常の効果判定と緊急停止は、別の判断基準にしておくと進めやすい形です。変更を戻せる状態を用意し、検証による損失も管理してください。

CPAが下がった後も獲得数と質を追う

改善結果は、CPA、CV数、有効率を合わせて評価します。単価の低い成果だけが増えていないか、営業や販売の記録でも確認しましょう。

問い合わせなら商談化率、購入なら粗利やキャンセルが判断材料です。短期CPAが改善しても、契約や継続につながる割合が落ちれば見直しが必要となります。事業の目的と媒体の成果をつなぐことが、次の予算判断に役立ちます。

成果の良い広告に増額する場合も、同じCPAが続くとは限りません。追加の配信でどれだけ有効成果が増えたかを確認してください。予算を広げる判断と、既存予算内で効率を改善する判断は分けて行いましょう。

配信対象と掲載先は自社のデータで判断する

事例のターゲティングや配信面も、そのまま固定する必要はありません。再訪者向けの配信と新規への接点は、役割を分けて評価しましょう。

再訪者のCPAだけが低くても、新たな関心を生む広告が支えている可能性があります。配信対象の重なりは確認しつつ、一律の除外で接点を減らさないことが大切です。媒体の選定も、利用者の年齢だけでなく有効な成果と予算配分から考えてください。

掲載先の手動指定が、自動配信よりよいとは限りません。明らかな対象外や掲載を避けたい場所は確認し、残りは検証結果で判断します。過去事例の推奨設定と、現在の自社に合う設定を分けて扱いましょう。

支援会社への相談では成果条件と実行範囲を確認する

事例が自社に近いか判断できないときは、背景条件を質問すると役立ちます。改善率の大きさより、課題をどう見つけたかを確認しましょう。

相談時は、広告費、CV定義、媒体、LP、商談や購入の状況を用意します。社内で変更できる範囲と、制作や実装を依頼したい範囲も整理することが大切です。公開事例の非公開項目は、説明可能な範囲で確認してください。

契約前には、分析だけでなく改修や検証を誰が担うかも確認しましょう。レポートの提出で止まる支援では、原因が分かっても実行待ちになりかねません。自社の確認担当と意思決定の流れも決めておくと、改善を続けやすくなります。

CPA改善事例は再現条件を見極めて活用しよう

CPA改善の事例は、広告、計測、LP、入札を見直すヒントになります。ただし、公開された成果は個別条件での結果であり、自社の改善を保証するものではありません。

まずは成果の定義と現状の計測を揃え、自社の原因に近い事例を選びましょう。変更の理由と判定方法を決め、獲得数や成果の質まで追うことが大切です。数字を真似るのではなく、仮説を検証する進め方を取り入れてください。