リスティング広告チェックリストで点検!成果が出ない原因を見つける

【監修】株式会社ジオコード Web広告事業 責任者
新井 政樹

リスティング広告の成果が出ないときは、広告文や入札を一度に変えないことが大切です。配信、計測、検索語句、LPの順に原因を切り分けましょう。この記事では、確認する証拠と対応方法が分かるチェックリストを紹介します。

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リスティング広告チェックリストは問題の大きい順に使う

チェックリストは、項目を埋めることより、直すべき問題を見つけるために使います。費用の流出や計測不良につながる箇所から点検しましょう。

以下では、主にGoogleの検索広告を例に説明します。他媒体では設定名や機能が異なるため、対応する項目を公式資料で確認してください。

点検する目的と評価期間を決める

最初に、どの成果が不足しているかを言葉にします。表示されない場合と、問い合わせの質が低い場合では、確認する順番が異なるためです。

購入や問い合わせなど、計測対象の行動をコンバージョンと呼びます。以降はCVと表記し、その定義が事業上の成果に合うかも点検します。

  • 対象の媒体、アカウント、キャンペーン
  • 問題が始まった時期と、その前後の変更
  • 評価するCVと、問い合わせ後の商談・受注
  • 比較期間、曜日、休業日、集計時刻の条件

広告クリックから購入まで時間がかかる商材もあります。直近のCVが確定する前に、成果が悪いと決めないようにしましょう。

判定だけでなく証拠と担当者を記録する

各項目には、確認に使った画面や記録を残しましょう。記憶や印象だけでは、修正後に改善したか比べにくくなります。

判定は「未確認」「問題なし」「要対応」「対象外」に分けると便利です。対象外にした理由も書き、未確認を問題なしとして扱わないでください。

記録する欄残す内容
対象と症状どの広告で何が起きているか
判定と証拠確認日、画面、抽出データ、再現手順
対応変える内容と、変えない条件
責任分担調査担当、作業担当、承認する人
期限と検証修正期限、確認する指標、次の評価日

後述の担当欄は、役割分担の例です。自社で実際に作業できる人の名前へ置き換えて使いましょう。

まず配信停止と計測不良を点検する

細かな改善に進む前に、広告と計測が動いているかを確認します。配信されない問題と、成果が記録されない問題を分けることが重要です。

急に数値が変わった場合は、管理画面の変更履歴も見てください。Webサイトの改修や計測設定の変更と、発生時期を照合できます。

審査状況と請求に問題がないか

キャンペーンが有効でも、広告やキーワードが停止している場合があります。上位の設定だけで判断せず、配下の状態まで確認しましょう。

自分で検索して見つからないだけでは、配信停止とは言えません。管理画面の表示回数と、広告プレビュー・診断ツールを使って確かめてください。

症状確認する証拠対応の方向担当例
表示がない期間、開始・終了日、配信状態意図しない停止や期間設定を修正広告運用
一部だけ配信されない広告とアセットの審査理由該当箇所を直して再確認広告運用・制作
全体が停止した請求とアカウントの通知通知内容に沿って原因を解消管理者・経理
特定条件で出ない診断ツールの地域・端末条件設定と想定顧客のずれを確認広告運用

審査やアカウントの問題を、別の設定で回避しようとしないでください。通知が不明確な場合は、媒体の正式な窓口へ確認しましょう。

CVが正しく計測されているか

CVが少ないときは、成果がないのか、記録できていないのかを分けます。フォームの受信記録や注文履歴と突き合わせることが必要です。

Tag Assistantなどで、意図した行動に対してタグが動くか確かめましょう。タグの動作と広告レポートへの反映は別なので、確認手順を記録してください。

症状確認する証拠対応の方向担当例
受注があるのにCVがないタグ診断と完了時の動作発火条件や連携先を修正計測・開発
CVが実件数より多い成果アクションと重複送信二重登録と再発火を点検計測・広告運用
閲覧だけでCVになる成果条件と入札で使う目標事業目的に合う行動へ整理広告運用・事業
ツール間で値が違う期間、帰属、計上日、対象成果定義の違いと不具合を区別計測

Google 広告のタグと解析ツールからの取り込みで、同じ行動を登録する場合もあります。同じ成果を重複して入札に使っていないか確認しましょう。

取引IDによる重複抑制も、すべての成果アクション間を自動でまとめるものではありません。計測方式ごとに確認し、入力された個人情報を不用意に記録しないことが大切です。

LPとフォームが正常に動くか

広告のリンク先が開けなければ、入札を変えても成果につながりません。広告をクリックした後のページと、完了までの操作を確認しましょう。

最初に開くランディングページは、以降LPと呼びます。PCで動いてもスマートフォンで不具合が起きることがあるため、実機でも確かめてください。

  • 広告のリンク先が正しく、エラーや意図しない転送がないか
  • 同意画面や案内表示が、ボタンや入力欄を隠していないか
  • 必須項目、入力エラー、確認画面を通過できるか
  • 完了後の通知が、担当者や社内システムに届くか

テスト送信は社内で共有し、実顧客の成果と区別します。修正後は、画面表示だけでなく受信まで確認して完了にしましょう。

検索語句と配信条件を点検する

広告が動いていても、対象とする顧客に届いているとは限りません。実際の検索語句と配信先を見て、事業条件とのずれを探しましょう。

管理画面に登録したキーワードだけでは、実際の検索を把握できません。検索語句レポートと、問い合わせ内容を組み合わせて判断してください。

検索意図と商品が合っているか

検索語句は、利用者が実際に入力した言葉です。完全一致を使っても、登録した文字列と同じ検索だけに限られるわけではありません。

意味や意図も考慮されるため、反応が悪いときは実際の語句を確認しましょう。購入、比較、使い方、求人など、目的を分けるとずれを探しやすくなります。

症状確認する証拠対応の方向担当例
対象外の問い合わせが多い検索語句と相談内容対象条件の明示と除外を検討広告運用・営業
クリックだけが増える語句別のCVとLP意図に合う説明や誘導先へ変更広告運用・制作
全体だけ好調に見える指名・一般語句別の成果顧客層の変化と新規獲得を確認広告運用

検索語句レポートには、表示されない語句もあります。見えるデータだけで市場全体の需要を断定しないでください。

除外設定で必要な需要を止めていないか

除外キーワードは、不要な検索での配信を抑えるための設定です。一方で、広く除外しすぎると必要な顧客との接点も減ります。

問い合わせに至らない語句を、すぐ一括で除外するのは避けましょう。検討期間の長さ、クリック数、費用、商品との適合を確認することが必要です。

  • 登録キーワードと除外キーワードが衝突していないか
  • 共有の除外リストが、別商品の配信も止めていないか
  • 除外する範囲やマッチタイプが意図どおりか
  • 過去の販売条件を基にした除外が残っていないか

修正前の設定を残し、必要な語句が配信対象へ戻ったかを確認してください。除外は多ければよいというものではありません。

地域と時間帯が提供条件に合うか

対象地域や対応時間が限られる事業では、配信条件の点検が重要です。設定した地域名だけでなく、実際の配信傾向も確認しましょう。

Google 広告では、所在地と地域への関心を区別する設定があります。地域の判定に完全な精度を期待せず、対象外の相談も合わせて確認してください。

症状確認する証拠対応の方向担当例
対象地域外の相談が多い地域設定と配信地域所在地・関心の条件を見直す広告運用
電話を受けられない配信時間と着信記録受付時間や代替導線を調整広告運用・営業
意図しない配信先で費用が増えるネットワーク別の成果配信先ごとの役割と継続を検討広告運用

曜日や時間帯の変更方法は、入札戦略や媒体によって異なります。古い手順のまま調整せず、現在の設定で何が反映されるか確認しましょう。

広告文とLPの内容を点検する

検索意図が合っていても、広告の約束とページの説明が違えば離脱につながります。広告から問い合わせまで、同じ条件が伝わるかを確認しましょう。

クリック率だけを上げる表現では、期待と実態がずれる場合があります。成約や有効な問い合わせに結び付く内容かを考えてください。

組み合わせても意味が通る広告文か

レスポンシブ検索広告は、見出しや説明文が組み合わされて表示されます。単独でも意味が通じ、並び方が変わっても誤解を招かない文面が必要です。

料金の対象条件や、サービスを使える範囲を確認しましょう。必ず伝える必要のある情報は、配置の扱いも含めて媒体仕様を確認してください。

症状確認する証拠対応の方向担当例
クリック後の離脱が多い広告文とLPの説明訴求と条件のずれを修正制作・広告運用
表現が重複し内容が伝わらない見出し・説明文の組み合わせ役割の異なる文章に整理制作
古い情報が表示されるサイトリンク、電話番号などアセットとリンク先を更新広告運用・事業

アセットは、広告に追加できるリンクや電話番号などの情報です。種類を増やすこと自体を目的にせず、正確さと利用者への役立ち方を確認します。

必要な情報と操作がLPにそろっているか

LPでは、顧客が判断するための情報が見つかることが大切です。見た目だけでなく、迷う箇所と入力を妨げる箇所を点検しましょう。

  • 商品、価格、在庫、対応地域が広告の内容と一致しているか
  • 申し込みの条件や、追加費用が分かるか
  • 利用者の疑問に答える説明や事例があるか
  • 読み込みや表示の問題で操作が遅れないか
  • 入力項目は必要なものに絞られているか

フォームを短くするだけでは、問い合わせの質が下がる場合もあります。入力負担と確認したい条件の両方を考え、営業担当と調整してください。

品質スコアは、広告の関連性やLPの課題を探すための診断材料です。点数そのものを上げれば利益が増える、という合格基準にはしないようにしましょう。

入札と予算を成果の質に合わせて点検する

計測と配信内容を確認してから、入札や予算を見直します。成果の定義がずれたまま増額しても、事業上の問題が大きくなるおそれがあります。

獲得単価だけでなく、販売利益や商談の質も確認しましょう。媒体で好調に見える広告が、事業全体でも有効とは限りません。

入札で重視する成果と目標は正しいか

自動入札では、どの成果を目指しているかが重要です。キャンペーンで使う目標と、その中の成果アクションを確認してください。

Google 広告では、メインとサブの設定に加え、カスタム目標にも注意が必要です。カスタム目標に含めたサブアクションが、入札に使われる場合があります。

症状確認する証拠対応の方向担当例
軽い行動ばかり増える入札で使う成果アクション事業上の成果と目標を合わせる広告運用・事業
目標変更後に配信が減る入札戦略の状態と過去実績厳しすぎる目標かを確認広告運用
短期間で成果が揺れる学習状況と成果確定までの時間大幅な変更を重ねず検証する広告運用

必要な学習期間は、成果数や購入までの流れで変わります。一律の日数やCV件数だけを基に、入札方法を切り替えないようにしましょう。

予算不足と単価の悪化を分ける

表示機会が少ないときは、予算だけが原因とは限りません。入札、需要、広告の内容、配信条件を分けることが重要です。

獲得単価をCPA、クリック単価をCPC、クリック後のCV率をCVRと呼びます。同じ範囲のデータなら、CPAはCPCをCVRで割って考えられます。

この計算では、CVRを割合の小数で扱ってください。CVがない場合は同じ方法で比較できず、費用と行動の内容から原因を探してください。

症状確認する証拠対応の方向担当例
CPAが上がるCPCとCVRの変化単価上昇と成約率低下を切り分ける広告運用
需要を取り切れない予算制限と表示機会の指標利益を確認して配分を見直す広告運用・事業
費用が急に増える変更履歴と期間内の消化額意図しない変更と想定超過を確認広告運用・経理

平均日予算は、毎日必ず同じ金額を使う設定ではありません。日ごとの変動だけで異常と決めず、媒体の上限の仕組みと期間全体を確認しましょう。

有効な問い合わせや利益につながっているか

問い合わせが増えても、受注につながらなければ事業上の改善は限定的です。広告の数値と営業の結果を合わせて見ましょう。

  • 営業目的や重複を除いた有効な問い合わせ
  • 対象顧客からの相談と、商談へ進んだ件数
  • 購入・受注、キャンセル、返品の状況
  • 売上に対して残る利益と、対応にかかる負担

成果の質が低い場合は、語句や広告表現のほか、提供条件も見直します。返信の遅れが原因なら、広告設定だけでは解消できません。

同じCVでも価値が違うことを、関係者で共有してください。顧客情報を扱う際は、必要な項目に絞り、社内の管理方針に従いましょう。

修正後の検証と再発防止まで行う

チェックが終わったら、優先順位を決めて修正と検証へ進みます。変えた項目を記録し、同じ原因が残っていないか確かめることが重要です。

使えなくなった機能を前提にする古いチェック表にも注意してください。Google検索広告で提供が終了した拡張CPCなどは、点検項目から外しましょう。

緊急修正と改善テストを分ける

リンク切れやフォームの不具合は、早期の修正が必要です。一方、訴求や予算の比較は、影響を評価できる範囲で進めましょう。

広告文、入札、LPを同時に大きく変えると、結果の理由が分かりにくくなります。緊急対応を除き、仮説と変更範囲を先に決めてください。

  • 何が原因だと考えるか
  • どこを変更し、何を維持するか
  • どの指標で改善を判断するか
  • 悪化時に戻す条件と、判断する人

データが少ない段階では、結論を保留することも必要です。確認できた事実と、まだ判断できないことを分けて報告しましょう。

変更記録を使って次の点検につなげる

設定を直しただけで、問題が解消したとは限りません。広告の配信、計測、社内での受信まで再確認して、完了を判断します。

例えば、フォーム改修後にCVが記録されなくなった場合を考えてみましょう。タグの発火条件を直し、テスト後に実際の記録との一致を確認する流れです。

このとき、広告運用担当は症状、開発担当は修正内容を残します。以後のフォーム改修には、計測の確認を作業項目として追加してください。

点検の機会重視する内容
配信開始・大きな変更の前後審査、予算、リンク先、計測、承認内容
通常運用配信異常、費用、対象外の語句、成果の変動
事業成果を振り返るとき有効商談、受注、利益、次の予算配分
商品やWebサイトの変更時広告との整合、フォーム、計測タグ、除外設定

点検頻度は、予算規模と変更の多さ、問題が起きた際の影響に合わせて決めます。確認する担当者が曖昧な項目を残さないことが大切です。

リスティング広告チェックリストは、設定の正しさと事業成果をつなぐ道具です。証拠を残して原因を絞り、修正後の結果まで確かめていきましょう。